アルテミス19

「応援はまだですか?」火星軍の、残り少ない戦艦の副艦長がいった。次の核攻撃でこの船も破壊されるかもしれないのだ。

「現在、最も近くにいるのは火星から200万キロのところにいる、第4艦隊です。こちらに向かってはいますが。到着には時間がかかります。」船のコンピュータが答えた。「間に合わない・・・」艦長は言った。

アルテミスの頭の中には、焼かれてゆく人々の叫びと憎悪が流れ込んできた。

「やめてよ!私に何が出来るって言うの!何も出来ないわ。あなたたちの指導者にでも泣きつきなさい!」堪らない不快感だ。怒りと苛立ち、焦燥感のようなもの。

「アルテミスー、大丈夫―?」部屋の外にはタカシとリクトがいた。彼らもアルテミスの異変を感じ取ったのだ。

「ドアが開かない。何で?」タカシが言った。「透視してみたけど、特に壊れているようには見えない。それに中も透視しにくい、スゲエ、ノイズだ」これはリクト。

「ホントに?」タカシも透視してみたが、確かにノイズがひどくてよく見えない。でもアルテミスらしき人が、何者かに襲われてる? 

リクトは力を使って無理やりドアを開けようとしたが出来なかった。何らかの力が部屋を覆っている。

「部屋を覆ってるのは、アルテミスの力だよね?だって彼女しかいない・・(アルテミス!返事してよ。)」タカシは力を使って話しかけた。しかし応答はない。部屋の中では相変わらず何人かが暴れているように見える。

 

アルテミスは海の中のような所にいた。時々、真っ赤なインクや、真っ黒なインクを垂らしたような色が漂う空間。

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