彼の会社に関わらずに宇宙船は作れない。もちろん武器も。更に、彼は天才的な技術者でもある。オリオンを作ったのはハッデンだし、さっき会話していたオリオンは、自意識も持ったコンピュータ、オリオンの端末だ。同じ端末が月にもある。
この技術は、形の上では地球合衆国に供与する筈だったが、ハッデンは、のらりくらりと地球に渡していない。
「月からのデータは本当に楽しみです。まるでアルテミス達と、会っているように感じます。」オリオンは言った。
「そうかね。私も楽しみだよ。久しぶりに会ったら、あんなに綺麗な子になっているとは。数年前は人工子宮の中にいたのに。」彼は人口子宮にいる時からアルテミス達を見ていた。
「アルテミス達をこの屋敷に招待なさると思っていましたが・・違うのですね。」オリオンの声には若干の失望の色がある。
「お前にとっては月との距離も関係ないんじゃないか?」とハッデンは言った。「それはそうですが・・できれば本体で会いたいとも思うのです。」不思議なことを言う・・ハッデンは思った。
本体って・・・例え本体の置いてある部屋にアルテミスが来たところで、やはりカメラとマイクで彼らの姿を見て、声を聞くのだが・・・。
「お考えになっている事は想像が付きます。端末と同じ様に、カメラとマイクで姿を見たり、声を聞くのに・・何が違うのか?そう思っておいでですね?」オリオンは言った。
「まあ・・そんなところだが・・・私たち人間も、目から入った電気信号を脳内で再構築しているだけだからね・・一緒かな・・。」
ハッデンは一人納得したように言った。
その後、オリオン本体を、自宅植民島からアルテミス達の船に移動する準備をオリオン自身と、彼が操るロボット達に任せ、小惑星帯にあるハッデン産業の工場に向かう宇宙船の中、ソファに

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