アルテミス14

「有効とは・・どのような?」とミンチン博士。「アルテミス専用の機体を作るということです。うまく使えば一人で戦艦レベルの働きができるかもしれない。」顔を見合わせる他の議員達。

その議員はミンチン博士の研究に、以前から肯定的な議員だ。

「しかしそうなると、かなり予算を使ってしまう事に、なりませんか?」ミンチン博士は言った。彼女は、そういうところは遠慮してしまう。

「構いませんよ。ミンチン博士。それで戦争に勝てるのならば・・・そうでしょう皆さん?」背の高い金髪碧眼の若い議員。

何を考えているのか分からない雰囲気を醸し出している。こんなに支持してくれるのはこの男だけだが、何も考えず支援を受ければ、思わぬ見返りを要求されてしまうのだろうか?ミンチン博士は一抹の不安を感じていた。

「まもなく月軌道を越えます。」無機質な声が響く。ヨシュア達の貨物船は、今のところ順調に航行していた。

「月軌道を越えちまえば、もうこっちのもんだろ?」ヤマダは言った。彼はいつでも安易なのだ。

「お前さ、ホント安易だな。そういう事言ってると、ロクなことねえんだよ、いっつも。」ヨシュアはうんざりしたように言った。いつも一歩立ち止まって考えるヨシュアが、尻拭いをしているからだ。しかしそんなヤマダをヨシュアは捨てられない。なんだか気が合うのだ。

 貨物船の窓からも地球が大きく見えて来ている。合衆国軍の戦艦に何度か身元をチェックされたが、トランスポンダーも偽のIDも効力を発揮していた。「スゲエちょろいじゃん。」ヤマダは言った。

確かに上手くいっている。案外こんなもの、なのかもしれない、テロリストの活動なんて。所詮、地球のヤツラは間抜けぞろい。


コメント

タイトルとURLをコピーしました