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  • 天使の翼 悪魔の影93

    天使の翼 悪魔の影93

    力を補給するといい。そうすれば今までのように核攻撃でも耐えられるだろう。」

    「・・・そおっすか・・・やっぱり死ぬまで宇宙で暮らすってわけにはいかないんすね・・じゃあ戦うしなねえな・・」カイトは自分を納得させるように言った。戦うことに自分にとっても意味があると思いたいのだ。しかしそれは本当だった。いずれにせよ地球の環境は必要だ。今は必要なくともいずれは酸素や気圧、水、食料。結局はそれを必要とする生物であることに変わりはない。天使ではないのだ。

    輪切りになったゴーヤーのような怪物は地上をチリと化しながら移動していた。楽しんでいるのだろうか?端からは分からない。

    「・・・素晴らしい力がついているではないか・・」彷徨うものはご満悦だ。

    その時、空から光線が怪物に当たった。。カイトがかなり上空から攻撃したのだ。しかし見えない壁に跳ね返された。全く効いていない。

    ・・・やべえな・・あの出力でダメか・・・カイトはうかつに近づくのを警戒している。

    距離を置いて様子を見る。もう一度指を刺した。しかし、光線は壁に跳ね返されることに変わりはなかった。カイトは嫌な感じを感じた。今までと何か違う。単純に形の違いだろうか・・・そうではないような気もする。カイトはできるだけ強い壁を自分の周りにも作った。怪物は何事もなかったように地上の建物や人をチリにしながら移動している。

    「・・・なんか変なんすよ・・嫌な感じがして・・・」

    「・・・そうなのか?・・それはどんな?根拠があるのか?・・・」ミカエルは言った。

    「・・根拠はないすけど・・やばい感じってとこかな・・」

    その時だった。上を向いている輪切りの部分から、例の物質をチリにしてしまう柔らかな光はカイトに向かって発射された。

    ・・・うわ!・・カイトのシールドを簡単に中和し、表面が少しチリになった。幸い服に当たる部分がチリになった程度だが、カイトは怖くなった。シールドが全く役に立たない。カイトはすぐその場を離れた。

    「・・・やっぱりあいつやべえ・・勝てねえかも・・」

    「・・・まだ始まったばかりだぞ?そんなになのか?・・そうは見えないが・・」

    「・・・あんたらは痛くねえからそういえんだよ・・なんか助けはねえのかよ?・・」

    カイトは苛立っていた。またあの激痛を味わうは嫌だった。

    「・・・助けか・・・今のところ思いつかない・・済まないカイト・・・あ・・そうだエルサレムへ行け。もしかしたら新しい啓示があるかもしれない。・・」・「・・あ、そっか・・もしかしたらいいことあるかも知んねえすね・・」カイトは早速エルサ

  • 天使の翼 悪魔の影92

    天使の翼 悪魔の影92

    「・・・いいのか?カイト。ヨシヒロと同じ世界に行けなくても?・・」カイトは起き上がった。

    「・・は?なんつった??・・」カイトはマジギレに近い。

    「・・ヨシヒロに会えなくても良いのかと言ったが?・・」天使らしからぬ脅しだ。

    「・・すげえムカつく・・・なんすかあんた?・・・」カイトはいった。

    「・・・私はお前をヨシヒロとは違う世界へ送ることができる。二度と会えない世界へな。どうする?従うか?・・」カイトは黙った。激怒しているのだ。

    「・・・なんなんだよ・・・」しかしカイトはふと思った。

    「・・ほんとすか?それ?・・結構あんたら無能っすよね?・・そんな権限なさそうだぜ?・・神様ってこの会話聴いてるんだよな?・・・天使が人間に嘘をついて脅して。もしそんなことをしたらあんたらこそ地獄行きじゃねえの?・・・」ミカエルは黙った。図星なのだ。天使にその権限はない。第一、生身の人間に干渉することだって限られている。そのために苦労しているのだ。

    ガブリエルは言った「・・・見抜かれましたね。どうするんです?怒りに任せて、なれない脅しなどかけるから・・・・」

    「・・・お前は・・うるさい・・・ほんとに嫌な奴だな・・・ほんとに見方か?」ミカエルは初めての脅しをかけて失敗した。そんなことをせず頼むしか選択肢はないのに。

    「・・・悪かった。私も混乱してしまって・・そうだな、頼むしかないのだ。行ってくれないか?もちろんお前の精神状態がひどいのは知っている。しかし我々はこれ以上お前たちの次元に干渉はできないのだ。・・・」ミカエルは素直に頼んだ。

    どのみち他の道はない。もはや天使も意地になっていた。本来は人類を守り導くのが役目だし、その名目でカイトに能力も与えた。しかし今はあの憎たらしい彷徨うものに負けるなど、考えただけでも嫌だった。

    カイトは黙っていた。実は気持ちも落ち着いてきていた。カイトのいいところでもある。意外な責任感とおかしな考え。そして自分だけにこの能力があることを内心かなり喜んでいる。人は分からないものだ。結構痛い目にあっているはずなのだが。

    「・・・行きますよ。・・・ここまで戦ったし、そういえば・・俺っていつまで変身し続けられるんすか?・・・なるべく長く宇宙に居続けたいんで・・・」今のカイトは、地球に居づらい。

    だから変身できる時間のことが気になったのだ。「・・・そうだな・・・最初からは随分と伸びたと思うが・・・多分だが、一ヶ月くらいは連続で変身し続けられると思う・・しかしギリギリまで変身を続けると、力を貯めるのに一週間程かかってしまうだろう・・だから限界まで変身を続けるのは勧められない。変身できない時には、銃でもお前は死んでしまう。要は普通の人間と同じということだ。こまめに変身をといて

  • 天使の翼 悪魔の影91

    天使の翼 悪魔の影91

    ようだった。巨大な白いゴーヤー。

    「・・・これは・・ゴーヤー・・・・」リリスが言った。

    「・・こんな?犠牲を払ってこんな??・・・。」そして叫び声も何も発しない。破壊された建物の上に浮かんでいる。

    「・・・何も言わない??・・・」怪獣と通信を試みているが何も応答がない。瓦礫の上に、縦に置いたかのようなゴーヤーが浮かんでいる。するとゴーヤーの表面に、横に光のスジが6本現れた。その光に沿って輪切りになり、隙間ができた。

    隙間がぼおっと光ったかと思うとそこから光の輪が発射された。高い建物に当たると、輪切りにしながら広がってゆく。安定した建物は崩れずそのまま残っている。ただ真っ赤になったところからは、炎が上がっているものもある。鉄骨でできた塔のような建物は、先端部分がしばらく安定を保っていたが、じきに傾き倒れた。

    「・・・動いた・・・」悪魔はつぶやいた。すると輪切りはそのまま、それぞれに飛び去った。断面はぼうっとした光を出している。七色の光は揺らめいているようだ。そこから柔らかな光が地上に降り注いだ。すると建物も道路も、人もチリになって崩れていった。

    「・・・すごい能力なのではないのか?・・・」

    「・・・みたいですね・・・かつてない破壊の仕方です。カイトにも有効でしょうか??・・」

    「・・・我々の願いを具現化したかのようだ・・・」

    世界各地にゴーヤーの輪切りは飛んでゆく。下に柔らかな光をあて全てをチリに変えながら。

    月でカイトは寝転んでいた。そこへ天使達の通信が入った。

    「・・・なんすか??・・・」

    「・・・あ・・カイト・・また怪物が現れたんだが・・・」手もみをするかのようなミカエル。

    「・・・そおっすか・」

    「・・・行かないのか??・・・」とミカエル

    「・・なんで??・・・」カイトはかなり不機嫌だ。

    「・・・なんで?何故かは知っているだろう?・・説明させたいのか?・・」

    「・・・別に・・ほっときゃ良くないですか?別に俺は生きていけるし・・・」

    「・・・お前それは身勝手すぎるぞ・」

    「・・・なんで?ひでーことしたのは人間っすよ?まあ俺も人間だけど・・」

    「・・・攻撃は一部の邪悪な者たちだけだ・・大部分はまあまあ善良なのだ。日和見なだけで・・・」

    「・・それは、そおっすけど・・」カイトも一部の者たちがしたことはわかっていた。しかし意識では人間、ひいては人類への憎しみ、という形になってしまっている。

    「・・・なんかなあ・・もう嫌なんすよ。何もかも・・」

  • 天使の翼 悪魔の影90

    天使の翼 悪魔の影90

    「・・・そうだな・・できないだけだろう・・・そうだ・・」悪魔はすぐに怪物にできそうな人間を探した。それはすぐに見つかった。ロシアの大統領 イワンだ。

    彼は見事に悪魔と同調していた。

    「・・・うっすらと分かってはいたのだ。・・誘惑している時から。しかし怪物に変身させられる力が手に入るとは思っていなかった。・・・しかしその力が手に入る・・・」

    悪魔はほかの悪霊たちに招集をかけた。

    「・・・天使たちが作ったカイトが強力なのは皆も知っているとおりだ。私はもう一度怪物をつくりカイトを滅ぼそうと思う。みなの力を貸してはくれないだろうか?・・・」

    「・・・あなたがそうおっしゃるなら・・我々も天使は憎い・・・力をお貸しします。・・」

    「・・・素晴らしい・・ほぼ全員が力を貸してくれるとは。・・・」悪魔は残りの力を、他の悪霊たちもイワンを怪物に変身させるべく力を注いだ。すると異変が起きた。

    「・・・!えーー!?・何なのーー・・」リリスが叫んだ。力の注入が制御できない。力が無理やり注がれてゆく。

    「・・・何!?何なの!・・」力はどんどん怪物に奪い取られてゆく。このままでは消滅してしまう。最小限の力は残しておかなければならないのに。それは他の悪霊も同じだった。

    元々持っている力が少ないものから消滅してゆく。

    「・・・消えてしまう!!・・・」

    「・・・助けて!!・・・」虚しく叫びそして消えてゆく悪霊たち。

    「・・・しまった!!・・・」悪魔は気づいた。一定のラインを超えて力を注ぎ込むと、後は無理やりにでも吸い込まれてしまうのだ。これが複数人で怪物を製造する時の危険だった。基本的に一人でしなければならないことだったのだ。しかしもう遅い。

    「・・・助けて!!・・・」リリスは悪魔に叫んだ。悪魔もみるみる力を奪われてゆく。

    「・・・そんな・・」

    その時、執務室のイワンは叫び声を上げ、光とともに爆発した。建物を破壊し現れた怪物。

    悪魔のいる空間。呆然としている数人の悪霊たち。残ったのは力を貸さなかった一人と悪魔とリリス。三人だけだった。

    「・・・なんてこと・・・みんな消えてしまった・・・」リリスがつぶやく。

    「・・・こんな危険があったなんて・・・・」力が足りなくて、できないだけだと思っていた悪魔たち。しかし助かった安堵がやってきた。

    「・・・怪物は?・・・」現れた怪物をみて悪魔たちは黙った。「・・・なんだ?これは・・・」怪物には手も足もない。その姿は強いて言えば、ゴーヤーの

  • 天使の翼 悪魔の影89

    カイトはヨシヒロの死を悼む気持ちが薄れてゆくのを感じた。確実に会えるのだ。それが分かったから。

    「・・・そっか・・・確実に会えるんだ・・・向こうの世界があるのは確実じゃん・・」

    天使に悪魔。そして自分の変身に、どうやら神までいるらしい。しばらくの間、人間にとっては長いだろうが、後30年か40年か・・・早死すればもっと早くヨシヒロに会えるのだ。確かに人間の尺度ではとんでもない年数だ。しかし例えば、太陽の寿命などと比べれば一瞬だろう。

    悪魔たちはしつこくロシアの指導者を誘惑していた。今度はロシアにカイトを攻撃させる気でいるのだ。

    「・・・ダメだ・・・どの武器も通じないことがあまりにもはっきりしてしまって、歯止めがかかってしまう・・・」悪魔は八方塞がりになった。もはや人を怪物にもできない。

    ある程度、悪意は育った。しかし気持ちだけではどうにもならない。カイトに有効な武器がなければ。

    ・・・あの力の根源はなんなのだ?・・・どうしてカイトはあれほど強いのか、悪魔はまだそれに気づいていない。悪魔の本領ともいえる人類の怨念が、その原因の一つであることに。その時、リリスが言った。

    「・・・憎しみとか怒りとか・・それが根源なんじゃあ?・・・」

    「・・・!怒り??・・・何故そう思う?・・・」悪魔は尋ねた。

    「・・・だって短期的にはとても強い力じゃない?・・自分も壊すけど・。・それにあなたの本領じゃない?どうしてそうは思わなかったの?・・・カイトは愛に満ちた聖人じゃないわ。普通の煩悩を抱えた人類の一人よ。そして精神的な面でだけなら、強い怒りを抱えてる。だからそう思ったの。・・・・」

    「・・・そうか!・・」悪魔は笑った。

    「・・そうだよ!何故気づかなかったのだろう???・・・不思議だ・・・」

    「・・・だから仲間が必要なのよ・・・あなた一人なら気づかないままだったかもよ?・・」

    リリスが得意げに言った。

    「・・・きっと人間の怨念、怒りを根源としているのだ!私の本領・・憎しみを。・・・しかし・・今それが分かってもどうしようもない・・もはや力は使い果たしてしまった・・・」

    「・・・私たちも協力すればなんとかならないかしら?・・」

    「違う悪魔の力を合わせるのは、したことがない・・うまくいくだろうか?・・・」悪魔は不安げに言った。

    「・・・何を恐れるの?別に失敗したって大丈夫なんじゃない?ただ、できないだけの事、じゃないのかしら?・・・」

  • 天使の翼 悪魔の影88

    天使の翼 悪魔の影88

    「・・・やってないなら・・攻撃はしませんよ・・それに・・俺を殺すことはできないですよね・・・」とカイト

    「・・・そうだな・・お前を殺すことは核兵器でもできない。・・・しばらく休んだらどうだ?・・」

    「・・・そおっすね。・・休みますよ・・月にでも行って・・・」

    「・・・それもいいだろう・・・・」カイトはぽつんと浮かんでいる。しばらくして月に向かって飛び去った。

    何もする気が起きない。月の表面に仰向けに寝転んでいるカイト。

    「・・・・俺がやってきたことってなんすかね?・・・」

    「・・・反対者がいることは避けられない・・それが人の集団なのだ・・」ミカエルは言った

    今カイトはミカエルたちと話をしている。あまりにも暇でカイトから呼びかけたのだ。

    「・・・天使っていうから・・殺人を止められると思ってましたよ・・」

    「・・・人間のイメージではそうだろうな・・・しかし我々は個々の個体のことは関知しない・・」

    「・・・でも俺を変身できるようにしたんすよね?・・・」カイトは言った

    「・・・それは人類に絶滅されては困るからだ・・・それに干渉出来たのはお前だけだ」

    「・・・困る??なんで?・・・」

    「・・・説明は難しい・・ただ絶滅は我々が仕えている方の望みではない、といったところだろうか?・・」

    「・・・へえ・・それって神様ですよね?・・」

    「・・・そうだ・・・創造主とも呼ばれている・・・」

    「・・ほんとにいるんすね・・・でも都合よく助けてはくれないんすね・・・」

    「・・ヨシヒロのことは気の毒に思う・・我々が教えてあげられれば・・・」ミカエルが言った。

    「・・・それはもういいすよ・・・天国?みたいなところにいるんですよね?・・」

    「・・・まあ・・そうだな・・人の思うところとは違うだろうが・・・」

    「・・・違うんすか?・・・」

    「・・・かなりな・・・」

    「・・・どんな風に?・・・」

    「・・またかと思うかもしれないが・・言葉では説明できないし、人間の状態?今の意識では理解も認識もできないのだよ・・・・ではお前はもう一つ上の次元を本当に想像できるかね?」

    「・・・想像もつかねえ・・・」

    ・・・そうだろう?ヨシヒロとはいずれ会える。すべての生物は死ぬのだ。そしてこの宇宙そのものも期間限定なのだから・・・・」

    「・・・そおっすね・・・期間限定か・・・・」

  • 天使の翼 悪魔の影87

    犯人と兵器を破壊するだけならいいだろう・・・」

    カイトは大統領のいるシェルターを破壊したあと、アメリカ全土の大陸間弾道弾のミサイルサイトを破壊して回った。核ミサイルは爆発しなかったが、中のウランやプルトニュウムは流出した。

    「・・・・地球が汚染されています。・・・」ガブリエルは言った

    「・・・人類絶滅、というほどではないだろう?・・・」冷たく言い放つミカエル。

    「・・・それはそうですが・・・多分被害は出るでしょう。・・・」

    「・・・それも仕方がない。とにかく人類という種は存続される・・・」

    天使は徹底して個人より人類という種を優先した。とにかくこの種の今の絶滅を避けることしか考えていないようだ。

    カイトはリストにあるミサイルサイトを破壊した。天使たちから地図のような物を送信されたのだ。

    破壊を終わり、今は地球から一万キロ程離れたところに浮かんでいる。

    「・・・今のところお前を攻撃しようとするものは滅ぼされた・・・具体的にやろうとするものはという意味だが・・・」

    「・・・それはどう言う意味っすか?・・・・」カイトはぐったりとしていった。

    「・・・悪魔に影響されているものはまだいる。実際の攻撃命令はまだ出していないが、それに近い状態だ・・・」

    「・・・俺を攻撃しても無駄ってわかんないんすか?!・・・」

    「・・・そこなのだ。アメリカの指導者は合理的な判断を失っていた。・・」

    「・・・それって病気みたいなもん?俺病気の人を殺したの?・・・」カイトは今になって怖くなったようだ。

    「・・・いや・・・なんと言ったらいいのか・・お前がいま思っているような精神の病とは違う、ちゃんと責任能力はある・・悪い考えを持つものとは、おかしな判断をするだろう?・・犯罪者などはな・・・」

    「・・そおっすね、ニュースで、何でこんなこともわかんねえの?捕まるに決まってるじゃんっと思うことはある・・」

    「・・・だからと言って責任能力がないとはならないだろう?それと同じだ・・・・すまない、判断という言葉を使ったから混乱させたな・・」ミカエルは謝った。

    「・・・それで・・どうする?・・・ほかの国の指導者も滅ぼすか?・・・」

    「・・いいんすかね?・・」とカイト。

    「・・それはお前が決めればいい・・・」

  • 天使の翼 悪魔の影86

    カイトはそのまま真っ直ぐにシェルターに向かっている。天使たちとも話さない。

    「・・・激怒しているようですね・・・カイトは・・・」とガブリエル

    「・・・それはそうだろう・・どこまで攻撃するかによるが・・もし彼が怪物のようにただ人類を滅ばすだけの存在になった場合厄介だな。あれほどの逸材がほかにいるだろうか?・・」

    「・・・彼を倒すことを考えているのですか?・・」ガブリエルは言った

    「・・それは無理だろうな。しかも自由意思を残している。怒りに任せて攻撃しても我々には止められない・・・」

    カイトはシェルターに向かっている。指導者たちがいるシェルターまで後、数百キロしかない。それでも真っ直ぐに向かってくる。

    「これは・・・奴はここの場所を知っています・・・」

    「そんな・・・」彼らは避難しなかった。場所を知らないで欲しいという考えにすがってしまったのだ。もはや間に合わない。

    衝撃波によって轟音を響かせながら突進するカイト。上空2キロ程、大気中をあの速度で飛んでいるためだ。

    そしてシェルター上空へ向かって急激に減速した。ほぼ真上で止まると、地面を指差した。まばゆい光。最大級の出力だ。なんの躊躇もない。

    「・・・大気圏内であの速度を出すとは・・・よほど怒っているのでしょうね・・・」ガブリエルの呟きにミカエルは答えなかった。

    カイトの光線は地面で大爆発を起こし、地面を突き抜けシェルターに達した。中にいた人間も瞬時に爆発に飲み込まれた。立ち上る巨大なキノコ雲。

    「・・・皮肉なことですね・・カイト自身の怒りがさらに力に変換されています・・どの怪物に使ったより強力な光線です。・・・」

    「・・・少し黙ってくれないか?・・・お前は私の失敗を喜んでいるのか?・・・」ミカエルはむっとしていた。

    「・・・そんな・・・そんなことは・・ありませんよ・・」

    「・・そうか・・・すまない・・」ミカエルはかなり不安らしい・・自分が作ったものが悪魔の怪物に似たことをし始めている。

    「・・・ミサイルサイトのある場所は、教えるのをやめましょうか?・・」「・・・いや、・・・やめよう・・・そんなことをすればもっとに悪魔的になるかもしれない・・


  • 天使の翼 悪魔の影85

    そのことについては何も触れていない。

    カイトはカモフラージュして飛び立った。アメリカに向かっているのだ。もう彼にはどうでも良かった。彼らが悪魔に魅入られていたとしても、怒りは収まらなかった。

    「・・・今アメリカの指導者ってのはどこにいるんだ?・・・ワシントン?じゃねえだろ?

    壊滅状態だろうしな・・」

    「・・・彼らは地下にいる。核シェルターだ。場所を教える・・」天使はシェルターの位置をカイトに送った。アメリカの地図の中に赤い印が示された。

    「・・ここにいるのか・・・」

    「怪物は確認できません」監視衛星が爆心地を捉えている。アメリカにあるシェルターのか中彼らはカイトのことも怪物と呼んでいた。

    「奴はカモフラージュできる。赤外線で探るんだ。」赤外線でも見えないが彼らは他に手がない。副統領が今の大統領だ。彼が、カイトに水爆も通じないであろうことを知っていた事実は、スルーされていた。

    「どうするんですか?」国防長官は内心呆れていたがそれを隠して言った。カイトはここを攻撃するだろう。この愚かな男の決断のせいで私も死ぬのだ。

    ・・いや・・・もしかしたら助かるかも・・・ここは地下80mの深さなのだ。・・・

    国防長官は楽観的な希望にすがろうとしたが、すぐにそれを打ち消した。あの怪物の力はよく分からない。ただことごとく敵の怪物に勝ったのだ。水爆20発も効果がないだろう。

    「赤外線にも反応はありませんが・・太平洋上におかしなものが写っています。」すごい速度で伸びています。秒速およそ24キロ。」

    「24キロ?」海が衝撃波によって弾かれていた。その軌跡だけが写っているのだ。

    「やつだ!!姿を隠しているんだ!」

    「ここの場所はわからないはずです」

    「そう・・・だな・・・しかし闇雲に攻撃するつもりでわざわざ来るのか?」

    「まさか・・・我々の知らない方法でこの場所がわかるとか?」立体映像の地球がホログラムで浮かび上がっているが、それを見るとカイトと思われる物はまだ太平洋上だ。しかしまっすぐ彼らのいるシェルターに向かっているように見える。まるで位置を知っているかのようだ。大統領や国防長官は内心不安に駆られていた。場所を知っているはずがない。彼らは自分に言い聞かせていた。

  • 天使の翼 悪魔の影84

    天使の翼 悪魔の影84

    カイトはうずくまったまま頭を地面に叩きつけた。

    「ううっ・・・いってええ・・・」仰向けになるカイト。痛みはかなり引いてきている。傷も目に見えて治っていく。

    「・・・さらに回復力が増しているようですね。あれだけの熱と衝撃にさらされたというのに・・・・」

    カイトの回復は進み、今ではあぐらをかいて座っていた。後ろに手をつき上を見上げている。キノコ雲の中で青空など見えないが・・・

    「ヨシヒロ・・・聞こえるか?ヨシヒロと話はできないんすか?」カイトは天使たちに聞いた。

    「・・・それは許されていない。お前たちが言うところの天国、極楽、何とでも言葉では言えばいいが、そこにいるものとの接触は許されていない。・・・」

    「・・・俺もいつかは会えるんですよね?・・・」カイトが言った。

    「・・・そうだ、いつかはな・・・」

    「・・・すごいっすね・・・かなり回復した・・・さっきの痛みが嘘みてえ・・・」

    「・・お前の力はさらに増大しているようだ・・素質だな・・我々も知らなかった・・」

    「・・・でしょうね・・でも天使って言っても結構間抜けっすね・・・」痛みが引き怒りがやってきた。カイトはこの攻撃のことで怒っているのだ。

    「・・・ヨシヒロのことは済まないと思っている・・悪魔は予想外に必死になっているようだ・・・必死で通信しようとしたのだがダメだった・・カイト・・・アメリカが水爆を落としたのだ。・・お前は助かったが・・ヨシヒロは・・・」

    カイトは黙っていた。

    「・・・俺は大丈夫だよ俺はね・・で、やり返していいんだろ?まさか止めたりしねえよな?・・」

    「・・・止めたりはしない。悪魔に魅入られた指導者を、どうしようとお前の自由だ・・仕返しに行くのか?・・・」天使は聞いた。

    「・・・俺たちを攻撃したやつらを殺しに行くよ・・・」カイトは言った。

    「・・積極的に殺人を?・・」とミカエル

    「・・・ダメっすか?・・」

    「・・構わない。悪魔に魅入られた人間たちだ。我々は人類の存続にしか興味はない。」

    「・・そおっすか・・・」カイトは内心激怒していた。もうどうでも良かった。

    「・・・俺が人類を全滅させるって言ったどうするんすか?・・」

    「・・・それは・・・困るな・・やめてほしいと言おう・・」

    「・・なんだよそれ・・」カイトはむっとしたような、嘲笑したような笑いをした。

    「・・・おちゃらけていませんね?・・どうしたんでしょう?・・・」ガブリエルは言った。天使には個々人の命を嘆く気持ちはないようだ。実際さっきの核攻撃で数10万人が死んだが