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  • 天使の翼 悪魔の影79

    非言語通信をした。

    「・・・リビングのカーテンは締めないほうがよさそうだ。その部屋に入ってよ。そこは元々カーテンを締めてあったから。・・・・急に占めると疑われそう・・・もっと暗くなったら閉めるよ・・・・」

    ヨシヒロは見張りを透視した。どうやら気づいてはいない。見張ってはいるが彼ら自身食事中だ。

    部屋に着いて、カモフラージュを解かれるカイト。ベッドにどかっと腰掛ける。

    「あーすげえショック。頑張ったつもりなんだけどねえ・・・」仰向けになりつぶやくように言った。

    「・・可能性はあった・・というか少し危惧していたんだよね。でも怪物の驚異の方が勝ると思ってた・・・あの首相どうしたんだか・・・また怪物が現れても、もう行く必要ないよ。それにカイトに毒なんて効かないって思わなかったのかなあ?毒ならなんとかなるって思っちゃったのかな」とヨシヒロ。

    「そうだな・・・行かねえ。割りにあわねえよ」

    「何か食べる?持ってくるよ。リビングは結構、外から見えるけど持ってくる分にはわからないと思う。」

    「悪い・・なんでもいいよ。ありがとう。腹減った・・・」

    「うん、ちょっと待ってて」ヨシヒロは宙に浮いて、そのまま部屋から出て行った。

    「お前いつも浮いてんの?」まだ、廊下にいるであろうヨシヒロにカイトは言った。

    「そう。面白くて、リビングに行く直前には降りるよ。ホントは行かなくても用意できるんだけどね。物が浮いているのを見られても面倒だし。」

    ヨシヒロは買ってあった冷凍食品をレンジで温めた。

    そして思った。別にカーテンを占めても大丈夫かもしれない。別に誰かが来た時だけじゃないだろう、カーテンを占めるのは。疑われてもいいと思ったヨシヒロはカーテンを締めた。家を見張っている者は車の中で、!と思ったようだ。少し体を動かした。

    「カーテンを閉めましたね。誰か来たんでしょうか?」見張りの男の一人が言った。ハンバーガーを食べ終わり、コーラを飲んでいた。

    「俺らが見張ってたのに?」

    「カイトは姿を消せるんですよね?・・・」

    「行くか?」先輩風の男が言った。

    ・・・やばかったかな・・ヨシヒロは会話を聞いていた。このくらいの距離なら多少ノイズは入るが聞き取れる。それに踏み込まれても気絶させてしまおうとヨシヒロは考えていた。

  • 天使の翼 悪魔の影77

    ついに暗殺実行の時が来た。夕食がカイトの元に運ばれ、その中には無味無臭の毒物が仕込まれている。

    「・・・ダメ元だ・・・とにかく毒を・・・」悪魔はすがるような思いだ。

    毒の入った食事をするカイト。無味無臭のため今のところ何もない。食事を終わり、寝転んでテレビを見ている。しかしだんだん苦しくなってきた。

    「なんだ!?苦しい・・・」立とうとしたが体が動かない。

    「やべえ・・毒か・・?これ・・・」。毒によって意識が薄れてゆく。しかしその先にあるのは眠りではなく死なのだ。

    ・・・呼吸ができない・・・

    次の瞬間カイトは変身した。建物は爆発し、カイトのは瓦礫の中から現れた。

    「変身しちゃったなー。でも楽になった。」カイトは心配した。建物の中に人が居ると思ったからだ。しかし、遺体や怪我人が見当たらない。爆発を考慮しカイトのいる建物には人はいなかった。それぞれに理由をつけられて従業員全てが他の場所に出かけていたのだ。

    「・・・人間がお前を殺そうとするとは・・・・」天使はまた妨害されていたのだ。

    「・・また妨害されてたのかよ。まさかワザと?教えろっての・・・」多少カイトは苛立っていた。

    ・・ほんとに天使って信用していいのか?・・そう思うのも無理はなかった。天使達はあまりカイトことを本気でサポートしていない。

    「・・・すまない・・油断していたのだ・・・・」

    「・・・ミカエル様・・・あまりそういう事は言わない方が・・・」ガブリエルはたしなめた。

    「・・そ、そうだな・・・」

    「・・・ヨシヒロ・・ヨシヒロ・・・」天使はカイトとヨシヒロの通信を中継した。まだこんな距離は二人の力では難しいのだ。

    「・・・我々が仲介しなければこんな遠距離の通信はできないからな・・」ミカエルがそう言うと、ヨシヒロの応答が聞こえた。

    「・・・カイト?・・あ、通信できるね・・・」

    「・・・・ヨシヒロ・・・・・」カイトが疲れたように言った。

    「・・・力が発達しているようですね。後もう少しで中継なしで・・・通信できそうです」とガブリエル。

    「・・お前んとこ行っていい?俺殺されかけたよ。・・」

  • 天使の翼 悪魔の影75

    というのも大阪と京都がほぼ全滅になったので、どのチャンネルもそのことで大騒ぎだ。

    「・・・俺たちのこともやってるな・・・」とカイト

    「・・・そりゃそうでしょ・・・」二人は言葉を使わずに会話している。

    廃墟になった場所からのレポートが一旦終わると、黙祷が捧げられ、司会者とコメンテーターが話し始めている。そこにニュース速報がはいった。

    湯沢首相の緊急会見があるとのことだ。画面が首相に切り替わった。内容はカイトが人類のために戦ってくれていることの感謝だった。そして是非連絡が欲しい。あるいは直接官邸などに来てくれるようにとの内容だった。

    「俺のこと良く言ってるじゃん。戻ってもよくね?」

    カイト達は言葉を使わない方法で会話している。

    「だねえ・・感謝されてるよカイト・・・でも・・あの首相が?」ヨシヒロは何故かあの首相は好きではない。なにか胡散臭いのだ。二人はしばらくその家の上空でテレビを透視した。

    山に戻る途中で

    「・・・これなら戻れるな・・・」呑気なカイトは楽観視していた。

    「・・・僕もなにか食べたいしな・・・じゃあ・・もどる?あ、でも僕は隠れなくてもいいんじゃないかな?バレてないよね?そうだよ!何だ!帰れるよ。別荘に。」

    「・・・そうだよ。お前は帰れるよ。警官がいるかもしんねえけど。・・・」

    「・・・いるかな・・質問攻かな・・・うわ・・めんどいなー・・・どうしていなくなったのか?とか?・・・」とヨシヒロ

    「・・・そうじゃね?・・・」

    めんどい、と言っていたが二人は戻ることにした。カイトはヨシヒロを手のひらに載せ軽井沢の別荘に向かった。

    飛びながら非言語会話をする二人。

    「・・・どう嘘つこう??・・・」

    「・・・めんどくさいから逃げた・・とかダメ??・・・」と、カイト

    「・・・めんどくさいはちょっと・・。・怖いから・・にしようかなでも、疑われるよね・・・」

    「・・・すげえ追求されそう・・・」

    「・・・そういうこと言わないでよ・・・何かされたら脳の血管切っちゃお!・・」ヨシヒロは言った

    「・・うわ・お前それ・・・」カイトは瞬間引いた。

    「・・一応冗談だよ・・」ヨシヒロはそれを感じ、冗談にしたが、彼は躊躇などしないだろう。

    本人もそのことを感じていた。

  • 天使の翼 悪魔の影74

    天使の翼 悪魔の影74

    「いいところに目をつけましたね・あの男」リリスが言う。

    「そうだろうか・・・人間の時にダメージを受ければ変身するだけでは??・・やつの母親は包丁で刺したが、すぐ変身してしまったぞ」

    「・・あ、そうですね・・・」

    「・・お前は・・ほんとに・・」悪魔は呆れたように言った。

    カイト達は首相官邸には戻らなかった。怪物の光線で、すでに大阪や京都などは破壊されていたが、戦いでの死傷者がでてしまったかもしれない、もしかしたらそのことを責められると思ったためだ。カモフラージュをしたまま山のなかに降り立った。透明のカイトが枝を降りながら着陸してゆく。バキバキと枝が折れる音がして数本木が倒れた。

    山の中で二人は話していた。

    「カイトは変身したままなら寒さも何も大丈夫じゃない?」

    「変身してる時なら大丈夫だよ。でも何日も変身し続けたままだと、どうなんのかわかんねえよ。」カイトは言った。

    「そっか・・わかんないか・・僕は今、力で体表面を適温にしてるし、さっき湧水も飲めたから大丈夫。細菌とか寄生虫とかいないのが何故かわかったし。」ヨシヒロはカイトの顔の前に浮かんでいる。しかし二人共カモフラージュを使っている為見えない。

    カイトは木々を押し倒してあぐらをかいているから、上空から見ると、何もないのに木が倒れている奇妙な光景になってしまっている。

    「便利だなーお前、ある意味俺より便利だよな」

    「だね。なにか食べたいならコンビニから盗んでくるよ。山を降りたところに町があるじゃん。コンビニくらいあるでしょ」ヨシヒロのモラルはどうなってしまったのか?

    「ああ・・それはまだいいよ。腹減ってねえし。」

    「そお・・でもテレビが見たいね。どんな感じなんだろう?世論て・・やっぱり街に降りてくるよ。家のTVを透視してみる。それで政府のところに行くか決めよう」

    「あ、俺も行くよ」

    「?変身したまま、だよね?」

    「そうだよ」何で?と言わんばかりにカイトが言う。

    「まあそれなら大丈夫だけど・・・」

    「暇だしさーー」

    「じゃ、行きますか?」

    「おう!!」二人は浮き上がりカモフラージュをしたまま麓の街に向かっていった。

    1件目の家でテレビはついていた。ほとんどチャンネルが怪物関連だ。

  • 天使の翼 悪魔の影73

    天使の翼 悪魔の影73

    「首相のところにはいかないの?首相のところから行ったんだよね?あれ?いいの戻らなくて?」怪訝なヨシヒロ。

    「うん。行かねえ。もうめんどくせえよ。」

    「まあ・・それでもいいけど・・・もし行くことがあっても、僕の力のことは伏せておいてよ」

    「何で?」

    「何でって・・僕は驚異だよ?」

    「?」カイトは本気で分かっていないようだ。

    「僕は内部から人を殺せるんだよ?指一本動かさず。もしこの力を知られたら、怖がられると思わない?もしカイトがそう言う人と関わる時、怖いと思うでしょう?」

    「ああ・・まあ・・・他の奴ならな。」

    「もちろんカイトにそんなことはしないけどさ・・他の人はそうは思わないんだよ。・・」

    「そっか!そうだよな・・・じゃあ俺一人ってことにしとこう・・でもさ、監視衛星から見られてねえかな」

    「そこなんだよ・・・銀色の球体って目立つかなあ・・・大丈夫だとは思うんだけど」

    「先ほどの戦いの映像です。」戦いは衛星から撮られていた。しかしヨシヒロがいたことは全くわからない。ただカイトが手のひらに銀色の球体らしき物を乗せているような格好から、それがなくなったような格好になった動作が映っていた。

    「ここまで何かを手のひらに載せているような仕草で・・そしてここから手のひらが普通にもどっている。この鏡の様なものはなんでしょうか?なにかを載せていたのか?」画像を見ながら湯沢首相は指差している。

    「分かりません。映像にはっきりとは写っていないので・・これは拡大した映像です」荒い拡大映像が画面に写った。しかし銀の球体らしきもの、としか分からない。

    「直接本人に聞いてみては?」中村が言った。

    「もちろんそうする。しかしこんな力を持つもの放っておいていいものか・・・我々に歯向かってきたらどうするんだ。」湯沢首相はカイトを信用していない。

    「大丈夫なんじゃないですか?ここまで戦ってくれてるんですよ?」漆原が言う。

    「君は保証できるのかね!」湯沢首相はまたそのセリフを口にした。漆原は少し驚きながら

    「いえ・・保証はできませんが・・・しかし・・」

    「君が決めることじゃない。私は一億二千万人の命を預かっているんだ!」

    湯沢首相はカイトを殺す気だった。しかし武器は役に立たない

    ・・・そういう時は・・人間の時に毒を飲ませたらどうなるのだろう??・・湯沢はそう考えた。

  • 天使の翼 悪魔の影72

    天使の翼 悪魔の影72

    うやって?・・・」と悪魔。

    「・・怪物だけが方法じゃないわ・・・カイトから離れたら・・・どうでしょうか?・・」リリスは言った。

    「・・・というと?・・」

    「・・・人間をそそのかしてカイト達を攻撃させればいいのでは?・・ずっと変身したままなら効き目はないかもしれないけどね・・・でも友達は人間でしょう?食料も家も必要じゃない?・・・」

    「・・・人間か・・しかしヨシヒロには超能力がある・・・・でも、何故私を助けようとするのだ?・・・」疑う悪魔。

    「・・・別に理由なんて・・同じ悪魔だからよ・・超能力といってもそこまで強力じゃないみたいじゃない?カイトはヨシヒロを攻撃から守ろうとしていたわ。ということは、ああいう爆発には耐えられないのよ」

    「・・お前たちと私が??・同じ??・・」

    悪魔はずっと一人だった。ほかの悪霊に助けを求めるなんて発想さえなかったのだ。雑魚などどうでもいい、そんな風に思っていた。

    「・・・力を合わせればもっと大規模に人間をそそのかすことができるわ・・・・」

    「・・・そうか・・・ヨシヒロ・・・か・・奴を殺せばカイトに精神的な傷を負わせることはできる・・・」と悪魔は言った。

    天使たちはまだ知らない。悪魔は次にヨシヒロを標的としていることを。

    「・・・やってみよう・・・」悪魔はそう思った。危機が訪れて初めて仲間も必要かと思ったのだ。

    「・・・まずは探さなくては・・・操れる人間を・・・・」

    それもそれは指導者でなければならない。

    リリスと悪魔は操れる人間を求めて彷徨い始めた。どこかにいないだろうか?薄汚れた心を持つ人間は・・・しかしそんな人間はすぐ見つかった。湯沢首相だ。悪魔一人なら干渉できなかったろう。しかし今は協力者がいる。試す価値はあるだろう。

    「・・・湯沢はいけそうだ・・・」

    「・・・そうね・・・私にも感じ取れるわ。この男はどこか薄汚れた邪悪さがある・・」とリリス。

    二人はカイトとヨシヒロを殺すことを囁きかけた。またもや繰り返し繰り返し飽きることなく。

    「どうする?これから」カイトは日本へ向かって飛んでいる。廃墟に佇んでいても仕方ないのでさっさと帰途についている。

    「とりあえずどこか山奥かな」とカイト。


  • Artemis 3

    Since there were no ordinary humans nearby, Artemis felt free to say what she wanted.

    “Artemis, it’s fine now, but if someone else hears that, it might cause emotional friction,” said Orion.

    “Of course, I only said it because I knew there was no one else around,” Artemis replied, not sounding particularly upset.

    After the war between the Earth United States and the Martian Federation, both sides poured enormous resources into weapons research without concern for appearances. Surprisingly, one field made remarkable progress: genetic engineering.

    Dr. Minchin succeeded in creating humans who could move objects without touching them. However, many subjects suffered brain damage each time they used their powers and died midway through the experiments. Artemis and her companions were the culmination of countless efforts—a finished product at last.

    “Those children… only three of them. They’re useless as weapons, aren’t they?” The rotund Secretary of Defense scoffed. He had always preferred grandiose weapons capable of obliterating planets to biological ones.

    “But that power can be put to use. Especially Artemis. She can read surface thoughts. Although she can’t penetrate the minds of people trained to obscure their thoughts, such techniques aren’t something anyone can master. If we use her as a spy, she might uncover Martian classified information, for example,” said a tall, thin man—the head of the secret police.

    The President of the Earth United States was also present at this meeting. A Martian invasion operation was about to be launched. This time, the United States intended to annihilate Mars completely—those insolent former colonials.

    近くに普通の人間はいないので、アルテミスは安心してそのセリフを口にした。

    「アルテミス、今は良いですが、他の人に聞かれると感情的な軋轢が発生するかもしれませんよ?」とオリオン。

    「そうね、もちろん他の人が、いないのを分かって言っているのよ」アルテミスは怒っているふうでもなく言った。

    地球合衆国と火星連合との戦争のあと、どちらの陣営も、なりふり構わず兵器研究に巨費を投じた。その中で意外なものが大変な進歩を遂げた。遺伝子操作の分野である。

    ミンチン博士は手を触れずに物を動かすことができる人間を誕生させたのだ。多くは力を使うたび脳に障害を起こし実験半ばで死亡した。アルテミス達はやっとのことで完成した完成品。

    「あの子供達・・たった3人。兵器としては役に立たないだろう?」でっぷりと太った国防長官は言った。元々、生物兵器などより、派手に惑星でも吹き飛ばせる兵器を望んでいる男だ。

    「しかし、あの力は使いようです。特にアルテミス。彼女は表層の意識なら読める。訓練を積んで、思

    考を誤魔化すことが出来るようになった人間の意識は読めませんが、その技術は誰でも習得出来る訳で

    はありません。彼女をスパイにすれば、例えば火星の極秘事項も知ることもできるかもしれません。」

    痩せて背の高い男が言った。彼は秘密警察のトップ。

    この会議には地球合衆国大統領も出席していた。近く火星侵攻作戦が実施される。合衆国は今度こそ火星を全滅さるつもりなのだ。あの生意気な元植民地の奴らを。


  • 天使の翼 悪魔の影71

    「・・・まだ再生しているところがある・・・」ヨシヒロが言う。

    「・・・分かった・・・」

    カイトはかわいそうだなとも思ったが、転がっている怪物に両手の人差し指から光線を当てた。外と内から焼かれる怪物。もはや再生は間に合わない。あのピーという声も出さなくなっていた。外も黒く焼かれ灰になってゆく。そして光の中で、ほぼ全てが灰になった。

    「・・・どうだ?細胞とか残ってるか?・・・」

    「・・・ほとんどないよ・・・あ、肉片発見・・一応やいとこ・・・」冷酷なヨシヒロ。

    カイトも光線の半径を少し広げた。肉片とともに焼かれる瓦礫や地面。ドロドロの溶岩のようになってゆく。怪物の残骸もほとんどなくなっている。

    「・・・完全に焼いたな・・・」とカイト

    「・・そのようだよ・・・」

    二人は力を加えるのをやめた。その場所な地面が煮えたぎっている。怪物の細胞が残っていたとしても、再生は不可能だった。そこまで不死身ではないからだ。ましてその細胞さえ灰になってしまった。

    「・・・やった・・・勝った・・・・」とカイト

    「・・・良かったよ。内部から破壊できて・・・」

    悪魔はその光景を呆然と見ていた。

    ・・・・あんな手を使うなんて。超能力を与えるだと??・・・悪魔は言った。

    数万年早いはずの力だ、人類には。できないはずのことなのに。神はそう言っていた。

    ・・・ヒドイ・・・嘘をついたのか・・・・ヨシヒロには与えることができたではないか!・・。その不可解。

    そしてもはや、悪魔には怪物を創る力は残っていない。

    ・・・私の計画は失敗か・・・・

    「・・・助けあげてもいいわよ・・・」どこからか女の声。

    「・・・・お前は・・・」

    声をかけてきたのは下っ端の悪霊だ。タルムードではリリスと呼ばれている。いわゆる奔放な性悪女、のような悪霊だ。

    「・・お前の力程度では、怪物は作れない・・・・」

    「・・・そのことばっかりなのね・・・馬鹿みたい・・・」

    悪魔はリリスに衝撃を与えた。

    「・・・痛いじゃない!何すんのよ。!助けてやろうってのに!・・・」

    「・・・・口の利き方がなってないからやった。もっとしてやろうか?・・で?助けるってど


  • 天使の翼 悪魔の影70

    ・・・透視出来るところまで来たぜ・・・

    ・・・僕にも見せて・・・カイトはヨシヒロの透視能力より遠くが見える。

    ・・・攻撃しまくってるんだね・・・とヨシヒロ。

    今怪物はインドの都市を破壊している。疲れてきているのだろうか、蹴ったりしている。光線の威力も前より弱いようだ。

    ・・・このまま近づく・・アイツ馬鹿なんだぜ・・だた壊すだけなんだ・・

    ・・・ほんとに大丈夫?罠とかない?・・・

    ・・罠??何の??・・・

    ・・・いや・・・分からないけど・・・

    ・・・大丈夫だろ・・・・カイトはあまりそういう事は考えない。

    ・・じゃあ俺が一気に近づくよ・・で、お前を一キロ弱でいいか?そのくらいの所に下ろす。俺はやつを違う角度から攻撃する・・・

    ・・・分かった・・・

    1キロ弱の場所にヨシヒロを下ろし、カイトはすぐに飛び立った。ヨシヒロは既に銀色のシールド自らを覆っている。

    カイトは飛びながら光線を怪物に浴びせた。表面が真っ赤になり怪物の肉が焼けた。レーザーメスのようだ。

    「ギャーー」何もない丸い顔に、口が開き怪物は叫んだ。そして口から光線を発射した。

    カイトはそのまま飛び続け、真上から攻撃した。脳天に光線が直撃する。

    「ピー!!」少しかわいそうに思える声を出す怪物。

    ・・・あれがちょっとかわいそうなんだよな・・・動物いじめてるみたいだ・・

    そう思っても、カイトは光線を発射したまま怪物を、ヨシヒロの降りた場所とは、違う場所に蹴り飛ばした。崩れたビルをなぎ倒しながら怪物は転がっていく。

    その時ヨシヒロは既に攻撃を仕掛けていた。脳と思われる場所を焼いているのだ。

    「ピーピー・・・!!!ガー・・・」のたうちまわる怪物。内部から怪物を焼きながら近づくヨシヒロ。力はさらに強まった。

    「ガー・――――!!!」怪物はのたうち回り続けた。

    「ピー」声が弱くなっていく。

    「ピー・・」のたうちまわりも弱くなっていく。脳や心臓と思われるところは焼かれて炭のようになっている。再生しても間に合わない。そして・・

    「ぴ・・ぴ・・」怪物は動かない。もやは体の中の半分は焼かれてしまって機能していない。

  • 天使の翼 悪魔の影69

    「・・ほんとか?・・・じゃあ熱のテストもするか・・・」

    「・・熱って・・・」

    「・・光線を当てるよ・・・」

    ヨシヒロは少し怖くなった

    「・・・あのさ・・加減できる??・・」とヨシヒロ

    「・・・できるよぉ・・」カイトは楽しくなってきたようだ。

    カイトは指先からほんのちょっとだけ光線を出した。光線は光速でカイトに跳ね返った。

    「・・・アツ!・・・・」

    「・・・あ、跳ね返った・・・そっか、鏡になってるんだ・・・」

    「・・・やべえ・・ちょっとでよかった。・・・」

    ヨシヒロはシールドを解いた。

    「これなら大丈夫そうだね。それにもし内部への攻撃が通じないようなら、悪いけど一旦逃げてよ。てか逃げよう、。だって勝てないかもしれないでしょう?」

    「ああ分かった。すぐ逃げるよ。俺も、あんなの嫌だ。」

    「・・・どうする?・・行く?」ヨシヒロが言った。この期に及んでだが行かなくてもいい道、なんてものが現れてくれないものか、なんて気持ちも浮かんでしまったのだ。

    「ん・・・行くか・・・」二人は上空へ速度を上げ飛び去った。

    「・・勝てますかね?・・・」とガブリエル。

    「・・・賭けだな・・違う種類の力を与えたのが吉と出るか、凶と出るか・・」

    「・・・同じ力の方がよかったかも・・とか考えてませんか?・・」

    「・・それは・・考えてない・・・何故か・・これで良かったのだ。とまだ思っているよ・・」ミカエルは言った。

    「・・そうですか・・・」

    カイトの手のひらに乗ってヨシヒロたちは飛んでいる。音速を少し超えたくらいのスピードだ。

    ・・・すごい速度な気がするけど・・

    非言語の通信で二人は話している。

    ・・そうか?慣れてきたのかな?簡単にスピード出せるようになった。疲れにくくなってるし・・

    カイトははっきり気づいていないが、彼の力は天使の予想を超えて増大していた。

    とんでもない速度をだせるのだ。カイトは少し馬鹿なので、かなり短い時間で静止軌道までを行ったり来たりしていることに気づいていない。静止軌道??多分その言葉をカイトは知らない。