カテゴリー: 未分類

  • 天使の翼 悪魔の影94

    レムへ向かった。地上は相変わらず大被害だ。叫びながら逃げ惑いチリになってゆく建物と人々。

    秒速およそ八キロ。人工衛星並みの速度で飛ぶカイト。地上からの距離は1.2キロほどしかないだろうか。衝撃波で民家が吹き飛ばされる。

    「・・・カイト!もっと上空へ行け!!今・・人が・・・吹き飛ばされた!!・・」

    「・・やべ!そっすね・・・」カイトは上空へ急上昇した。

    「・・・ここまでくれば大丈夫ですよね?・・・」

    「・・ああ、その高度なら気圧も薄い・・・しかし、気をつけろ。その速度で濃い大気のなかを飛んではいけない。・・・」

    「・・・殺しちゃいました??・・もしかして?・・」とカイト

    「・・まあ、いい・・知らない方がいいだろう・・・」実は殺してしまっていたのだ。

    エルサレム上空。

    「・・・なんにも起きねえけど・・・」

    「・・今着いたばかりだろう・・」呆れるミカエル。

    「・・でも早く戻らねえと被害がもっとでるじゃないすか・・・」

    「・・・少し待て。焦るとますます啓示は来ないぞ・・」ミカエルは言った

    「・・・そういうもんすか?・・・」

    「・・そういうものだ・・静かな心でなければな・・・」しかしいくら待っても啓示はない。20分ほどが経過した。

    「・・まだですかね?・・」

    「・・おかしいな・・もうそろそろだと思うのだが・・」

    「・・・やっぱ都合良くは行かないんすかね?・・・」カイトが言った。

    「・・・都合よくって・・我々は天使なんだが・・何故答えてくださらないのだ・・・」

    「・・・うぬぼれすぎじゃね?・・・」カイトはポソっと言った。天使といっても大したことない、と思っているのだ。確かに天使たちはうぬぼれていた。悪魔にあんな力を与えている神にも怒りを感じているのだ。

    「・・・もういいカイト。戻るのだ・・私たちができるだけ力を貸す・・・」

    「・・・どうやって?・・・できないんすよね?・・・」

    「・・ミカエル様!嘘を??・・・」ガブリエルは焦った。

    「・・黙っていろ!こうなったら我々だけで・・」ミカエルは悔しくてやけになっている。

    「・・・そんなことは、ありえないことはご存知でしょう??そもそも我々の存在そのものが神によっているのに!・・・我々を通して主が力を使っているだけですよ??・・・」

    ミカエルは黙りこくった。ではこの悔しさは??どうすれば??

    「・・ここはカイトに頼むしかありませんよ。力は貸せないが戦ってくれと・・・」

  • 天使の翼 悪魔の影93

    天使の翼 悪魔の影93

    力を補給するといい。そうすれば今までのように核攻撃でも耐えられるだろう。」

    「・・・そおっすか・・・やっぱり死ぬまで宇宙で暮らすってわけにはいかないんすね・・じゃあ戦うしなねえな・・」カイトは自分を納得させるように言った。戦うことに自分にとっても意味があると思いたいのだ。しかしそれは本当だった。いずれにせよ地球の環境は必要だ。今は必要なくともいずれは酸素や気圧、水、食料。結局はそれを必要とする生物であることに変わりはない。天使ではないのだ。

    輪切りになったゴーヤーのような怪物は地上をチリと化しながら移動していた。楽しんでいるのだろうか?端からは分からない。

    「・・・素晴らしい力がついているではないか・・」彷徨うものはご満悦だ。

    その時、空から光線が怪物に当たった。。カイトがかなり上空から攻撃したのだ。しかし見えない壁に跳ね返された。全く効いていない。

    ・・・やべえな・・あの出力でダメか・・・カイトはうかつに近づくのを警戒している。

    距離を置いて様子を見る。もう一度指を刺した。しかし、光線は壁に跳ね返されることに変わりはなかった。カイトは嫌な感じを感じた。今までと何か違う。単純に形の違いだろうか・・・そうではないような気もする。カイトはできるだけ強い壁を自分の周りにも作った。怪物は何事もなかったように地上の建物や人をチリにしながら移動している。

    「・・・なんか変なんすよ・・嫌な感じがして・・・」

    「・・・そうなのか?・・それはどんな?根拠があるのか?・・・」ミカエルは言った。

    「・・根拠はないすけど・・やばい感じってとこかな・・」

    その時だった。上を向いている輪切りの部分から、例の物質をチリにしてしまう柔らかな光はカイトに向かって発射された。

    ・・・うわ!・・カイトのシールドを簡単に中和し、表面が少しチリになった。幸い服に当たる部分がチリになった程度だが、カイトは怖くなった。シールドが全く役に立たない。カイトはすぐその場を離れた。

    「・・・やっぱりあいつやべえ・・勝てねえかも・・」

    「・・・まだ始まったばかりだぞ?そんなになのか?・・そうは見えないが・・」

    「・・・あんたらは痛くねえからそういえんだよ・・なんか助けはねえのかよ?・・」

    カイトは苛立っていた。またあの激痛を味わうは嫌だった。

    「・・・助けか・・・今のところ思いつかない・・済まないカイト・・・あ・・そうだエルサレムへ行け。もしかしたら新しい啓示があるかもしれない。・・」・「・・あ、そっか・・もしかしたらいいことあるかも知んねえすね・・」カイトは早速エルサ

  • 天使の翼 悪魔の影90

    天使の翼 悪魔の影90

    「・・・そうだな・・できないだけだろう・・・そうだ・・」悪魔はすぐに怪物にできそうな人間を探した。それはすぐに見つかった。ロシアの大統領 イワンだ。

    彼は見事に悪魔と同調していた。

    「・・・うっすらと分かってはいたのだ。・・誘惑している時から。しかし怪物に変身させられる力が手に入るとは思っていなかった。・・・しかしその力が手に入る・・・」

    悪魔はほかの悪霊たちに招集をかけた。

    「・・・天使たちが作ったカイトが強力なのは皆も知っているとおりだ。私はもう一度怪物をつくりカイトを滅ぼそうと思う。みなの力を貸してはくれないだろうか?・・・」

    「・・・あなたがそうおっしゃるなら・・我々も天使は憎い・・・力をお貸しします。・・」

    「・・・素晴らしい・・ほぼ全員が力を貸してくれるとは。・・・」悪魔は残りの力を、他の悪霊たちもイワンを怪物に変身させるべく力を注いだ。すると異変が起きた。

    「・・・!えーー!?・何なのーー・・」リリスが叫んだ。力の注入が制御できない。力が無理やり注がれてゆく。

    「・・・何!?何なの!・・」力はどんどん怪物に奪い取られてゆく。このままでは消滅してしまう。最小限の力は残しておかなければならないのに。それは他の悪霊も同じだった。

    元々持っている力が少ないものから消滅してゆく。

    「・・・消えてしまう!!・・・」

    「・・・助けて!!・・・」虚しく叫びそして消えてゆく悪霊たち。

    「・・・しまった!!・・・」悪魔は気づいた。一定のラインを超えて力を注ぎ込むと、後は無理やりにでも吸い込まれてしまうのだ。これが複数人で怪物を製造する時の危険だった。基本的に一人でしなければならないことだったのだ。しかしもう遅い。

    「・・・助けて!!・・・」リリスは悪魔に叫んだ。悪魔もみるみる力を奪われてゆく。

    「・・・そんな・・」

    その時、執務室のイワンは叫び声を上げ、光とともに爆発した。建物を破壊し現れた怪物。

    悪魔のいる空間。呆然としている数人の悪霊たち。残ったのは力を貸さなかった一人と悪魔とリリス。三人だけだった。

    「・・・なんてこと・・・みんな消えてしまった・・・」リリスがつぶやく。

    「・・・こんな危険があったなんて・・・・」力が足りなくて、できないだけだと思っていた悪魔たち。しかし助かった安堵がやってきた。

    「・・・怪物は?・・・」現れた怪物をみて悪魔たちは黙った。「・・・なんだ?これは・・・」怪物には手も足もない。その姿は強いて言えば、ゴーヤーの

  • 天使の翼 悪魔の影89

    カイトはヨシヒロの死を悼む気持ちが薄れてゆくのを感じた。確実に会えるのだ。それが分かったから。

    「・・・そっか・・・確実に会えるんだ・・・向こうの世界があるのは確実じゃん・・」

    天使に悪魔。そして自分の変身に、どうやら神までいるらしい。しばらくの間、人間にとっては長いだろうが、後30年か40年か・・・早死すればもっと早くヨシヒロに会えるのだ。確かに人間の尺度ではとんでもない年数だ。しかし例えば、太陽の寿命などと比べれば一瞬だろう。

    悪魔たちはしつこくロシアの指導者を誘惑していた。今度はロシアにカイトを攻撃させる気でいるのだ。

    「・・・ダメだ・・・どの武器も通じないことがあまりにもはっきりしてしまって、歯止めがかかってしまう・・・」悪魔は八方塞がりになった。もはや人を怪物にもできない。

    ある程度、悪意は育った。しかし気持ちだけではどうにもならない。カイトに有効な武器がなければ。

    ・・・あの力の根源はなんなのだ?・・・どうしてカイトはあれほど強いのか、悪魔はまだそれに気づいていない。悪魔の本領ともいえる人類の怨念が、その原因の一つであることに。その時、リリスが言った。

    「・・・憎しみとか怒りとか・・それが根源なんじゃあ?・・・」

    「・・・!怒り??・・・何故そう思う?・・・」悪魔は尋ねた。

    「・・・だって短期的にはとても強い力じゃない?・・自分も壊すけど・。・それにあなたの本領じゃない?どうしてそうは思わなかったの?・・・カイトは愛に満ちた聖人じゃないわ。普通の煩悩を抱えた人類の一人よ。そして精神的な面でだけなら、強い怒りを抱えてる。だからそう思ったの。・・・・」

    「・・・そうか!・・」悪魔は笑った。

    「・・そうだよ!何故気づかなかったのだろう???・・・不思議だ・・・」

    「・・・だから仲間が必要なのよ・・・あなた一人なら気づかないままだったかもよ?・・」

    リリスが得意げに言った。

    「・・・きっと人間の怨念、怒りを根源としているのだ!私の本領・・憎しみを。・・・しかし・・今それが分かってもどうしようもない・・もはや力は使い果たしてしまった・・・」

    「・・・私たちも協力すればなんとかならないかしら?・・」

    「違う悪魔の力を合わせるのは、したことがない・・うまくいくだろうか?・・・」悪魔は不安げに言った。

    「・・・何を恐れるの?別に失敗したって大丈夫なんじゃない?ただ、できないだけの事、じゃないのかしら?・・・」

  • 天使の翼 悪魔の影88

    天使の翼 悪魔の影88

    「・・・やってないなら・・攻撃はしませんよ・・それに・・俺を殺すことはできないですよね・・・」とカイト

    「・・・そうだな・・お前を殺すことは核兵器でもできない。・・・しばらく休んだらどうだ?・・」

    「・・・そおっすね。・・休みますよ・・月にでも行って・・・」

    「・・・それもいいだろう・・・・」カイトはぽつんと浮かんでいる。しばらくして月に向かって飛び去った。

    何もする気が起きない。月の表面に仰向けに寝転んでいるカイト。

    「・・・・俺がやってきたことってなんすかね?・・・」

    「・・・反対者がいることは避けられない・・それが人の集団なのだ・・」ミカエルは言った

    今カイトはミカエルたちと話をしている。あまりにも暇でカイトから呼びかけたのだ。

    「・・・天使っていうから・・殺人を止められると思ってましたよ・・」

    「・・・人間のイメージではそうだろうな・・・しかし我々は個々の個体のことは関知しない・・」

    「・・・でも俺を変身できるようにしたんすよね?・・・」カイトは言った

    「・・・それは人類に絶滅されては困るからだ・・・それに干渉出来たのはお前だけだ」

    「・・・困る??なんで?・・・」

    「・・・説明は難しい・・ただ絶滅は我々が仕えている方の望みではない、といったところだろうか?・・」

    「・・・へえ・・それって神様ですよね?・・」

    「・・・そうだ・・・創造主とも呼ばれている・・・」

    「・・ほんとにいるんすね・・・でも都合よく助けてはくれないんすね・・・」

    「・・ヨシヒロのことは気の毒に思う・・我々が教えてあげられれば・・・」ミカエルが言った。

    「・・・それはもういいすよ・・・天国?みたいなところにいるんですよね?・・」

    「・・・まあ・・そうだな・・人の思うところとは違うだろうが・・・」

    「・・・違うんすか?・・・」

    「・・・かなりな・・・」

    「・・・どんな風に?・・・」

    「・・またかと思うかもしれないが・・言葉では説明できないし、人間の状態?今の意識では理解も認識もできないのだよ・・・・ではお前はもう一つ上の次元を本当に想像できるかね?」

    「・・・想像もつかねえ・・・」

    ・・・そうだろう?ヨシヒロとはいずれ会える。すべての生物は死ぬのだ。そしてこの宇宙そのものも期間限定なのだから・・・・」

    「・・・そおっすね・・・期間限定か・・・・」

  • 天使の翼 悪魔の影87

    犯人と兵器を破壊するだけならいいだろう・・・」

    カイトは大統領のいるシェルターを破壊したあと、アメリカ全土の大陸間弾道弾のミサイルサイトを破壊して回った。核ミサイルは爆発しなかったが、中のウランやプルトニュウムは流出した。

    「・・・・地球が汚染されています。・・・」ガブリエルは言った

    「・・・人類絶滅、というほどではないだろう?・・・」冷たく言い放つミカエル。

    「・・・それはそうですが・・・多分被害は出るでしょう。・・・」

    「・・・それも仕方がない。とにかく人類という種は存続される・・・」

    天使は徹底して個人より人類という種を優先した。とにかくこの種の今の絶滅を避けることしか考えていないようだ。

    カイトはリストにあるミサイルサイトを破壊した。天使たちから地図のような物を送信されたのだ。

    破壊を終わり、今は地球から一万キロ程離れたところに浮かんでいる。

    「・・・今のところお前を攻撃しようとするものは滅ぼされた・・・具体的にやろうとするものはという意味だが・・・」

    「・・・それはどう言う意味っすか?・・・・」カイトはぐったりとしていった。

    「・・・悪魔に影響されているものはまだいる。実際の攻撃命令はまだ出していないが、それに近い状態だ・・・」

    「・・・俺を攻撃しても無駄ってわかんないんすか?!・・・」

    「・・・そこなのだ。アメリカの指導者は合理的な判断を失っていた。・・」

    「・・・それって病気みたいなもん?俺病気の人を殺したの?・・・」カイトは今になって怖くなったようだ。

    「・・・いや・・・なんと言ったらいいのか・・お前がいま思っているような精神の病とは違う、ちゃんと責任能力はある・・悪い考えを持つものとは、おかしな判断をするだろう?・・犯罪者などはな・・・」

    「・・そおっすね、ニュースで、何でこんなこともわかんねえの?捕まるに決まってるじゃんっと思うことはある・・」

    「・・・だからと言って責任能力がないとはならないだろう?それと同じだ・・・・すまない、判断という言葉を使ったから混乱させたな・・」ミカエルは謝った。

    「・・・それで・・どうする?・・・ほかの国の指導者も滅ぼすか?・・・」

    「・・いいんすかね?・・」とカイト。

    「・・それはお前が決めればいい・・・」

  • 天使の翼 悪魔の影83

    なかった。

    大統領も核が通じるかどうかを意識では知っているはずだった。

    しかし悪魔によって誘惑された彼らの判断は鈍っていた。と言うより、単純におかしくなっていたのだ。合理性が徐々に失われつつあった。

    元々攻撃的な思考をする人間は悪魔にとっても好都合だった。大統領も操られているわけではない。揺らいでいるような感じだろうか?誘惑はされている。しかし自分の意思でもその判断をしているのだ。その人の自由意思と誘惑との境界線は曖昧な状態だ。

    水爆が基地から発射された。数は20発。それは大気圏を一旦出てから目標に落ちてゆく。天使は必死でカイトたちに伝えようとしていたが、全く通じなかった。悪魔の側も正念場なのだ。

    「・・・まずいですね・・カイトは大丈夫でもヨシヒロが・・・」ガブリエルは言った

    「・・・とにかく伝えなければ・・・ぎりぎりでもカイトなら間に合うかもしれない・・・」ミカエルたちは必死で通信を試みた。

    「・・・やつらの力がすごい・・・。通信されてしまうかもしれません・・・」かたやリリスが弱音を吐いた。

    「・・力を振り絞れ!・・お前たちもだ!・・・」リリスだけではなく他の悪霊も彷徨うものに協力していた。彼らは天使たちに負けたくない一心でまとまっているのだ。

    そして、水爆がヨシヒロの別荘の上空で爆発した。20発水爆が狭い範囲で同時に爆発したのだ。

    すべてを焼き尽くしヨシヒロの別荘だけではなく軽井沢駅も、半径数十キロにわたって破壊された。

    「・・・間に合わなかったか・・・」ミカエルが言った。

    「ぎゃーーーー!!」カイトはのたうちまわっていた。いくら彼でも水爆20発では皮膚は焼かれズタズタになっていた。それでも死ぬことができず、痛みに耐えかね叫ぶしかない。

    「ぎっぎっ・・」叫びの合間に絞り出すような声。

    「・・・カイト・・着実に修復はされている・・その苦しみはそう長くは続かない・・」

    「あーーーーー!!」うずくまってただ痛みをこらえる。しかし急速に傷は治っていく。

    「ヨシヒロ・・は・・はあっ・・・ダメ・・・だったんだろ?」カイトは言った

    「・・・すまない・・彼は蒸発した。・・・」


  • 天使の翼 悪魔の影82

    「いや。別に」とカイト。

    「今の、へえって・・ちょっと気になる。」

    「あ?ああ眠いなあって思っただけだよ。」

    「そう・・・半分は冗談だよ。そんな簡単に殺さないよ」ヨシヒロは言った。

    「ん?わかってるよ」

    ヨシヒロは不安を感じていた。カイトはヨシヒロほど残酷ではない。と言うより心は優しい方だろう。カイトが失望する顔は見たくはない。しかしその為に自分を犠牲にすることはヨシヒロにはできなかった。もし本当に自分が危険に晒されたら彼は躊躇なく人を殺せるだろう。特に人を憎んでいるというわけではない。しかし比較的簡単にそうできるのだ。そんな予感があった。

    「ねえカイト・・あのさ・・」ヨシヒロはカイトの隣に座った。

    「カイトは好きな娘っているの?」

    「なんだいきなり。」きょとんとカイト

    「いいじゃん別に。」

    「まあいた事はいたけどな。でもフラれた。」

    「いたんだ!」ヨシヒロは驚いた。

    「別にいたっておかしくないだろ?」

    「そりゃあ・そうだけどさ。」

    「ん?何が言いたい?」

    「ええっと、実は僕は好きな人がいてさ」

    「へえ!お前そう言う話ししねえから興味ないと思ってたよ」

    ヨシヒロはカイトのことを言っていた。何故だか今が告白の時のような気がしたのだ。

    「それでえ、好きな人っていうのは・・・カイトなんだよね」

    「・・・・」しばらくカイト黙った。

    「やばかった?ひいちゃった?」心配するヨシヒロ。既に目が潤んでいる。失敗したと思い始めているのだ。

    「いや、別に・・でも俺、女が好きなんだよなあ・・」

    「そっか・・そうだよね・・・」もうヨシヒロは泣きそうだ。しかし・・・

    何故かカイトはヨシヒロの肩を抱いた。そしてそのままキスをした。

    「言い直す。女も・・かも知んねえ・・・」

    「核攻撃しかありません。」元副大統領、現在のアメリカ合衆国大統領は言った。

    「日本に水爆を落とすというのですか??」国防長官は不思議に思った。どう考えても勝てるはずはないのに、何故?と思っている。悪魔の干渉を受けないものには、彼らの考えは理解でき

  • 天使の翼 悪魔の影81

    「・・・あたしもびっくりです・・・」とリリス。

    日本軍の東京湾基地にアメリカの輸送機が着陸した。中にいるのは海兵隊。車両や人員が続々と降りてくる。悪魔たちの囁きが功を奏し、アメリカから海兵隊が送られてきたのだ。人間の状態のカイトを攻撃するために。

    「到着しましたね。」日本の国防長官が言った。

    「カイトとヨシヒロ?か。彼らは危険すぎる。」湯沢首相は諦めていない。と言うより、毒殺と同時進行で計画されていたことなのだ。彼らが持っているのはありったけの化学兵器と生物平気だ。全く無駄なことなのだが、そのことに湯沢首相は気づいていない。

    何かがおかしい。さすがに人への干渉がこんなにうまくいくことに悪魔とリリスは不安を感じた。うまくいったら行ったで怖いのだ。実は小心な二人。

    「・・・変です・・私たちの囁きがこんなにたくさんの人に通じているなんて・・・」リリスは言った。

    「・・確かにおかしい・・多分天使でさえこの人数に干渉はできないのに・・」彷徨うものは訝しんだ。確かに今も人間を誘惑している。しかしこんなにはっきりとは、できないはずなのだ。それにそんなに力は残っていない。だからこの数の人間を操れるわけはないのだが・・。

    天使たちも訝しんでいた。

    「・・・彷徨うもの、悪魔が急に力を増している・・・指導者ばかりが影響されている・・?これは一体??・・・」

    一般の市民は大部分がカイトが必要なことを理解していた。しかし国を率いるものばかりがカイトを敵視し、無駄な抵抗を諦めることができないでいた。

    「・・・効率よくカイトを攻撃させるためでしょうか?一般人を操っても大したことはできないから?・・・だから指導者ばかりなのでしょうか?・・・」とガブリエル。

    「そうかもしれない・・・しかし人間の武器は全て通じない。生物兵器化学兵器も効果はない。変身すれば治ってしまう。・・・やけっぱちなんじゃないか?無駄でもなんでもやってみろって思ってるのかもしれないな・・・」ミカエルは言った。

    「お前怖いからなあ・・ほんとにやっちゃいそうだな」カイトはヨシヒロに向かって言った。

    「うーんホントにやると思う。あんまり罪悪感はないかな・・・もうどうでもいい。あんな人たち」

    「へえ・・」

    「カイト、僕のこと怖いと思った?」


  • 天使の翼 悪魔の影80

    しかし二人は動かなかった。

    「いや・・いいだろう、ヨシヒロは監視されていることは気づいているし、俺らが気になっただけだろう。」先輩風の男が言った。

    ・・・来ないみたいだ・・・カーテンを閉めたのでヨシヒロは心おきなく力を使えた。冷蔵庫がひとりでに開き、お茶のペットボトルが、誰の手も触れていないのに宙を移動している。カレーピラフと餃子とペットボトルなどが宙に浮いたままヨシヒロと共にカイトの部屋に向かっている。

    「お待たせー」小さなテーブルに箸や醤油皿などもカレーピラフと共に着地する。

    「お、うまそースゲエ、ギョーザだ!!」

    「好きでしょう、餃子。僕も好きだけどね。まあ食べてよ。」ヨシヒロは言った。

    「いただきます。」

    「リビングにも出られるよ。あ、カーテン閉めたから」

    「見張りは大丈夫なのかよ?」とカイト

    「透視したけど大丈夫だったよ。一瞬怪しんだけど来るのやめた。」

    「お前今も透視できるんだもんな。俺は今なんもできねー」言いながらカイトはスプーンでピラフを口に運ぶ。

    「・・これからどうしよう。日本から出て行かなきゃいけないのかな・・」

    「何で?」口に含んだままカイトが言う。

    「・・・だって・・この場所は知られてるし、暗殺者が来たらどうする?ここを核攻撃されたら?カイトは大丈夫でも僕は死んじゃう。」

    「そっか・・・」カイトは餃子を口にいれそのままつぶやいた。

    「そうだよな・・・お前は核攻撃には耐えられない・・・」

    「先手を打とうかな・・・」ヨシヒロはふとつぶやいた。

    「先手って?」カイトが言った。

    「だから先手。こっちから攻撃してはいかがでしょう?もう敵みたいなもんじゃない?政府って。だから湯沢とかをカイトが殺しちゃえば?」ヨシヒロがサラっと言った。

    「ええ・・それはちょっとーーーどうだろう?」カイトはニヤニヤとしながら言った。

    「・・・カイトたちを憎むのだ・・・」リリスはアメリカの指導者、今は副大統領だがそれに影響を与えようとしていた。操ることはできないが、そそのかしているのだ。初めはダメ元だった。副大統領とは波長が合っていないのだ。そのはずなのだが、副大統領の心にカイトへの憎しみが膨れあがった。

    「・・・何と!干渉できるではないか!・・・」悪魔は驚いた。