天使の翼 悪魔の影74

未分類

「いいところに目をつけましたね・あの男」リリスが言う。

「そうだろうか・・・人間の時にダメージを受ければ変身するだけでは??・・やつの母親は包丁で刺したが、すぐ変身してしまったぞ」

「・・あ、そうですね・・・」

「・・お前は・・ほんとに・・」悪魔は呆れたように言った。

カイト達は首相官邸には戻らなかった。怪物の光線で、すでに大阪や京都などは破壊されていたが、戦いでの死傷者がでてしまったかもしれない、もしかしたらそのことを責められると思ったためだ。カモフラージュをしたまま山のなかに降り立った。透明のカイトが枝を降りながら着陸してゆく。バキバキと枝が折れる音がして数本木が倒れた。

山の中で二人は話していた。

「カイトは変身したままなら寒さも何も大丈夫じゃない?」

「変身してる時なら大丈夫だよ。でも何日も変身し続けたままだと、どうなんのかわかんねえよ。」カイトは言った。

「そっか・・わかんないか・・僕は今、力で体表面を適温にしてるし、さっき湧水も飲めたから大丈夫。細菌とか寄生虫とかいないのが何故かわかったし。」ヨシヒロはカイトの顔の前に浮かんでいる。しかし二人共カモフラージュを使っている為見えない。

カイトは木々を押し倒してあぐらをかいているから、上空から見ると、何もないのに木が倒れている奇妙な光景になってしまっている。

「便利だなーお前、ある意味俺より便利だよな」

「だね。なにか食べたいならコンビニから盗んでくるよ。山を降りたところに町があるじゃん。コンビニくらいあるでしょ」ヨシヒロのモラルはどうなってしまったのか?

「ああ・・それはまだいいよ。腹減ってねえし。」

「そお・・でもテレビが見たいね。どんな感じなんだろう?世論て・・やっぱり街に降りてくるよ。家のTVを透視してみる。それで政府のところに行くか決めよう」

「あ、俺も行くよ」

「?変身したまま、だよね?」

「そうだよ」何で?と言わんばかりにカイトが言う。

「まあそれなら大丈夫だけど・・・」

「暇だしさーー」

「じゃ、行きますか?」

「おう!!」二人は浮き上がりカモフラージュをしたまま麓の街に向かっていった。

1件目の家でテレビはついていた。ほとんどチャンネルが怪物関連だ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました