パイロットの顔が苦痛に歪んだ。アルテミスは心臓を少し押さえつけたのだ。もっと力を加えれば心臓を止められるけど・・どうしよう?・・彼女は思った。
胸を抑え、漂う男。何やら、うめき声が聞こえる。更にホンの少し力を加えた。心臓は止まりかけ、男は意識を失った。アルテミスは男を一瞥し、そのまま戦闘機に乗り込んだ。
「アルテミス・・何てことをしたの!」ミンチン博士である。あの騒動の後、男は医務室に運ばれたのだ。
「あの男が悪いのよ?最初に仕掛けてきた。そして私は言葉で言っただけ、事実を。そしたら暴力を振るおうとしたのよ?いけない事じゃない?」とアルテミスは言った。
「それは・・・そうだけど・・でもやりすぎよ・・」トーンを落とすミンチン博士。
「そう・・そうね。やりすぎだったかも。でも後遺症は残らないはずよ。その時は、苦しかったでしょうけどね。ごめんさない博士。次はもっと加減するわ」アルテミスはミンチン博士には謝った。しかしパイロットのことなど、どうでも良かった。
アルテミスは戦闘空域に向かっている。心の醜いパイロットどころではないのだ。彼女の他には無人戦闘機のみ。彼女は実験台にされているようなものなのだ。お手並み拝見、そういう扱いだ。しかしアルテミスを良く思わない者たちは思い知ることになる。
アルテミスは敵戦艦に攻撃を仕掛けた。敵の戦艦もレーザーで応戦しているが、何故か当たらない。アルテミスの頭の中にはレーザーの照準が見えていた。敵艦のコンピュータを読み取っているのだ。決して未来を見ている訳ではないが、照準が合う前に彼女は逃げることができる。


コメント