天使の翼、悪魔の影15(超人カイト)

「いやまあちょっとそんな気分でさ。で、メシでも食わねえ?おごるよ」とカイト。

「ほんとに?いいよー。」ヨシヒロは言った。

「んで迎えに来てよ。」

「は?」瞬間イラッとするヨシヒロ。

「いや俺歩きだからさ。国道沿いのパチンコ屋あるじゃん。その前に雑木林あるのわかる?」とカイト。

「国道沿いのパチンコ屋?あのツタヤのある建物?分かるよ。まあいいよ、車だし、じゃあ、ジョナサンでいい?側にあるよね。ジョナサン。てかそこがいいなあ」ヨシヒロはジョナサンが好きなのだ。

「いいよお、そこで」カイトはおちゃらけて言った。

「そうそう。でさ、ツタヤから国道渡って、ちょっと進んだところに雑木林があるだろ?そこにいるよ。」とカイト。

「りょうかーい。じゃあそこに行けばいい?で、雑木林の当たりのどの辺?」とヨシヒロ。

「やっぱ、ジョナサンで待ってるよ。分かり易いだろ?」とカイト。

「ああ、分かった。これから出る。じゃあジョナサンで」とヨシヒロ。

「わかった。サンキュー」カイトは電話を切ってから正体を言おうか言うまいか迷った。

「でもホント珍しいね?何かいいことでもあったの?あ、てかさー悪魔がどうのって言ってたよね。ん・・そのう・・・大丈夫?まあ散歩はいいことだからいいけど」ヨシヒロは本気で心配になった。今は普通に見えても、徐々に言っている事がおかしくなってゆくのではないかと。ジョナサンのお気に入りの席に腰掛けながらヨシヒロは言った。早速タバコを取り出す。

「サンダルフォンはどうなったってテレビで言ってた?」とカイト。

「すごい光線で破壊されたらしい。破片のところに自衛隊が向かってるらしいよ。下にいた人達がインタビュー受けてた。ほら畑ばっかりだけど民家もあったから」ヨシヒロは何となく違和感を感じながらも答えた。

「しかし疲れたー」カイトはジョナサンのシートに腕をかけ、ぐったりと足を投げ出した。

「で・・・大丈夫なの?僕の質問には全然答えてくれてないけど」とヨシヒロ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました