「向こうは気づいているのか?」合衆国大統領は言った
「偵察機は、およそ200万キロ離れた空域を航行していました。向こうは、恐らく気づいていないかと思われます。」秘書官は言った。
正体不明の構造物。少なくとも地球合衆国のものではない。それに火星の物なら問答無用で破壊すればいいだけなのだが・・・。「戦艦を向かわせろ。正体を突き止めるんだ。」合衆国大統領はまず正体を知りたいと、調べる方を選んだ。
「例の構造物の調査命令が出た。」戦艦ウィンダミアの艦長チョプラは、ぽそりと言った。火星侵攻の為に、この空域にも戦艦が集まっている。その中の4隻が小惑星帯への調査を命じられた。
「気が進まないんですか?」副艦長が言った。
「いや・・別にいいが、俺は貧乏籤男なのかと思って・・」チョプラ艦長は言った。
「艦長・・変なこと言わないでくださいよ。ちょっと行って調べるだけですよ?どうせ活動もしていない廃棄された工場か何かでしょう。」副艦長は言った。
「まあ、そんなとこだろう・・そうあって欲しいもんだ。」とチョプラは言った。
その頃、小惑星帯のアルテミスもハッデン達も戦艦が派遣されたことは知らない。人類初の重力制御に皆浮き足立っていた。すでに装置は稼働している。
船の中に遠心力を使って重力を作る部分はない。よって船内は地球上にある建物と同じように、階層をなしている。しかし重力を発生する素粒子が、きちんと「床」の方向に向かって船体内部を満たしていた。
「凄いわ。重力があるって。」暫く過ごしてからもアルテミスは言った。
「こんな技術・・ハッデンさんが発明したの?」とタカシ。

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