
非言語通信をした。
「・・・リビングのカーテンは締めないほうがよさそうだ。その部屋に入ってよ。そこは元々カーテンを締めてあったから。・・・・急に占めると疑われそう・・・もっと暗くなったら閉めるよ・・・・」
ヨシヒロは見張りを透視した。どうやら気づいてはいない。見張ってはいるが彼ら自身食事中だ。
部屋に着いて、カモフラージュを解かれるカイト。ベッドにどかっと腰掛ける。
「あーすげえショック。頑張ったつもりなんだけどねえ・・・」仰向けになりつぶやくように言った。
「・・可能性はあった・・というか少し危惧していたんだよね。でも怪物の驚異の方が勝ると思ってた・・・あの首相どうしたんだか・・・また怪物が現れても、もう行く必要ないよ。それにカイトに毒なんて効かないって思わなかったのかなあ?毒ならなんとかなるって思っちゃったのかな」とヨシヒロ。
「そうだな・・・行かねえ。割りにあわねえよ」
「何か食べる?持ってくるよ。リビングは結構、外から見えるけど持ってくる分にはわからないと思う。」
「悪い・・なんでもいいよ。ありがとう。腹減った・・・」
「うん、ちょっと待ってて」ヨシヒロは宙に浮いて、そのまま部屋から出て行った。
「お前いつも浮いてんの?」まだ、廊下にいるであろうヨシヒロにカイトは言った。
「そう。面白くて、リビングに行く直前には降りるよ。ホントは行かなくても用意できるんだけどね。物が浮いているのを見られても面倒だし。」
ヨシヒロは買ってあった冷凍食品をレンジで温めた。
そして思った。別にカーテンを占めても大丈夫かもしれない。別に誰かが来た時だけじゃないだろう、カーテンを占めるのは。疑われてもいいと思ったヨシヒロはカーテンを締めた。家を見張っている者は車の中で、!と思ったようだ。少し体を動かした。
「カーテンを閉めましたね。誰か来たんでしょうか?」見張りの男の一人が言った。ハンバーガーを食べ終わり、コーラを飲んでいた。
「俺らが見張ってたのに?」
「カイトは姿を消せるんですよね?・・・」
「行くか?」先輩風の男が言った。
・・・やばかったかな・・ヨシヒロは会話を聞いていた。このくらいの距離なら多少ノイズは入るが聞き取れる。それに踏み込まれても気絶させてしまおうとヨシヒロは考えていた。
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