超人カイト4

小説

「ええ!・・そんなことの為ですか?」とガブリエル。

ガブリエル達の疑問は、何故こんな青年が創造主に選ばれたか、です。人間の犠牲はかなりの数に上っています。その犠牲を出してもカイトの心を成長させたいのでしょうか?選ばれた、とはいっても、天使を通して選ばれたのですが、他に候補がいない、という事実そのものが、創造主の計画を暗示しているようにミカエル達には思えたのです。

怪物は遂に豊洲に上陸しました。容赦なく口から光を発射しています。瞬時に高層マンションは溶けてゆきます。日本軍に核攻撃の命令が下りました。アメリカが世界の警察をやめ、周りの国からの驚異もあり、日本人の意識も十数年をかけ変わって行きました。今の呼び方は日本軍です。

     サンダルフォン

怪物はサンダルフォンと名付けられた。なぜだかは知らないが、何となくユダヤ教の天使の名前がついてしまったのだ。ユダヤ教徒は反対しなかったのだろうか?

サンダルフォンが空中に飛び上がった。浮上しながら口から光線を吐き出し、光線は周りを破壊しながら伸びてゆく。地表は切り刻まれ、爆発してゆく。もちろん逃げ遅れた人々もろとも。

基地から発信した爆撃機が怪獣に近づいてゆく。

「目標を確認。」パイロットがロボットのよう言う。これから逃げ遅れた人々もろとも吹き飛ばしてしまうのに。逃げるために車を利用している人々。車を捨てる人もいたが、そのままクラクションを狂ったように鳴らしている者もいた。ビルの中でうずくまっている数人がいた。ビルは少し壊れているが、ホールのような所に数人が逃げ遅れている。

「あたしたちここで死んじゃうの?」涙と鼻水で彼女の顔はぐちゃちゃだ。

「きっとそうよ・・助かりっこないわ」そのほかにも三人の男女がいた。

すぐそこから聞こえてくる爆音。その度に傾いたビルの天井からは細かな破片が落ちてくる。彼らが死を覚悟したとき。サンダルフォンは飛び上がった。

「怪物・・いえ、サンダルフォンが飛びました。想定した高度より上昇していきます」とオペレータは言った。ここは対策本部。

「早くミサイルを発射しなくては。変化した高度に合わせて攻撃は可能なのか?」と湯沢首相。 「それは、可能です。爆撃機はすでに怪物に合わせた高度に上昇を開始しています。」とオペレ


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