配空域だが、地球や火星で落ちぶれた者が一攫千金を夢見てやって来る。しかし大部分は落ちぶれて犯罪に手を染めるか薬物で死んでゆくかである。
オリオンのように自意識があるコンピュータは、ハッデン産業、太陽系で最大の大富豪ハッデンをCEOに頂く巨大企業、の特許なのだ。使用できるのは地球合衆国政府だけ。今とのところは。
火星連邦の弱腰政策に我慢ならない者たちがここにいた。
「俺たちは痛めつけられてきた。あいつらだ。地球の奴らに!」演説をしているのはストルムグレンという男。背が高くがっしりとしている。でも顔つきは理知的に見えた。良い服を着てメガネでもかければ、あのでかいインテリ、と言ってもらえたろう。英語でFの言葉を連呼しているストルムグレン。
「今の政府は地球の奴らの靴を舐めて金を得ている。そんな奴らに、いつまでも、いいようにされて君達は本当に良いのか?うんざりしているんじゃないのか?」聴衆の中には頷く者もいる。
「俺は耐えられない。今すぐにでも奴らの頭を吹き飛ばしてやりたい。」ストルムグレンは言った。
一体、彼らの愛国心とは何だろう?
少なくとも、火星の現政権に向かってはいない。だって現政権を彼らは憎んでいるんだもの。
では火星の文化を愛しているのだろうか?しかしそれは、自分たちが信じている限られた火星の文化。
違う形のものを火星の文化と信じている者もいるのだが・・・。
「俺たちに何を、しろって?」ヨシュアの顔にはアザがあった。警官に殴られたのだ。知らぬ、存ぜぬ、を繰り返して、こんな目に遭ったのだが、ストルムグレンは彼らに弁護