「そうだね、私とオリオンだ。もはや人間は思考の速度で彼に勝てない。オリオンは人間が一年かけて考える事を1分で考えてしまう。
しかも、彼は眠ることもなく、同時に他の事も考えられるんだよ。」ハッデンは言った。
「私に眠りは必要ありませんからね。その点では人間より有利?ですね。」オリオンは言った。彼は、ほんの少し謙遜したつもりなのだ。
「眠らない、だけではないよ。既に知性そのものが人間以上なんだ。君はね。」ハッデンは言った。そんなことを話しているうちに、目の前の扉が開き、広い艦橋が眼前に拡がった。
「すげえなあ・・こんなに広いんだ・・」リクトは言った。確かに広いが、他に人がいない。「もしかしたら・・乗組員?操縦する人はいないの?」アルテミスは言った。
「そうだよ。居るのは君達とオリオンだけだ。全ての操作はオリオンがする。今オリオン本体の移送の準備をしているところだよ」ハッデンは言った。
「ちょっと不安かな・・誰も助けてくれないって事?」こう言ったのはタカシ。
「オリオンじゃ不安かい?」ハッデンは言った。
「いえ・・オリオンが優れていることは分かっています。でも、軍人さんっていうか・・人間の勘?みたいな物が、もしかしたら要るのかなって・・ごめんねオリオン。だってオリオンは攻撃的ではない。それはいいことだけど」とタカシは言った。
そうなのだ。この船は戦艦。邪悪な人間と戦うことになる船。そういう時にあんな紳士的なオリオンと自分達だけで、立ち向かえるのだろうか?そういうことなのだ。
「そこは・・・そうか。感情面での・・・でも、ここにある武器の技術は、地球と火星のどちらよりも上なんだよ。それに凄い物があるんだ。こっちに来てごらん。」ハッデンはまた違う道を案内し始めた。「あれをお見せになるので?」オリオンは言った。

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