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  • 天使の翼 悪魔の影39

    天使の翼 悪魔の影39

    母親は台所をウロウロし始めた。頭の中にはカイトが言った腹立たしいこと、嫌な態度、それらばかりが浮かんだ。もう抑えられない。今やらなければ。いてもたってもらいられない。

    母親はもういちど包丁を取り出した。そのまま静かにカイトのいる部屋へ向かった。

    カイトは寝ていた。一晩中ゲームをしていたためだ。静かに階段を上る母親。しかしドアには鍵がかかっていた。

    ・・・しまった!・・・鍵が・・・。窓に回るのだ!・・窓に!気づかれてはならない・・

    母親は力いっぱい鍵を破壊しようとしたが思いとどまり、隣の部屋の窓に向かった。

    隣の窓からのそのそと出て行く母親。

    果たして、カイトの部屋の窓は開いているのか?・・窓の鍵は空いていた。

    一階の屋根を伝い、のそりとカイトの部屋の窓を乗り越え、部屋に入った。服が擦れる音や、床に足がつく音がしたが熟睡するカイトは気づかない。そして布団を持ち上げ包丁を突き刺した。

    ビクッと起きるカイト。激痛のある方を見ると母親が包丁を突き立てている。しかしそれまでだった。カイトは光に包まれ、周りを吹き飛ばし変身した。

    「・・・あ、起動しちゃいましたね。非常スイッチ・・・」とガブリエル。天使達はカイトを見守っていた。一応は悪魔の、母親への干渉を邪魔しようとしていたが、できなかったのだ。爆発で母親は死亡し、まわりの家も数件吹き飛ばされた。

    「なんだ!どうした!いってええ!」カイトは激痛が走ったところを見た。しかし今は何もない。

    「いたくねえ・・・・」記憶に残っているのは母親が自分に包丁を突き立てている光景だ。そして周りの光。周りを見渡すと、人々が呆然とカイトを見上げていた。

    ・・・やべえ・・・バレた!・・・すぐにカイトは飛び去った。

    ・・家も吹き飛んじまった・・それに俺があいつを殺したことになるのか?・・・ずっと変身したままじゃなきゃ生きていくのも大変かもしれない・・・

    「ヨシヒロ・・・って携帯ねえしなあ・・・」空を飛びながらカイトは言った。あまり独り言は好きではないが、今はつい出てしまった。落ち込むと出る。カイトは今無一文だ。自宅から離れたところで変身を解いてもどるしかない。交通費はないのだ。彼は上空から降りられそうな場所を探した。しかし、真昼間だ。四十メートルの怪人が

  • 超人カイト2

    超人カイト2

    ・・・まさかこの人・・核を使うつもりなのかな・?秘書官は内心思います。秘書官、漆原は慄然としました。そんなことをすればもっと被害が出るじゃないか・・・と。

    「漆原君・・・核を使うことを危惧しているのかね?」と湯沢首相、秘書官の不安を読み取ったかのようです。

    「核はまずいんじゃ・・・・」と秘書官。

    「そんなことを言っている場合じゃない。このままでも国民は死んでゆく。攻撃しても、しなくても同じなら、あの怪物を倒せるかもしれない方法を試すしかない」と湯沢首相。彼はタカ派として知られている人です。

    戦うのが好きなんじゃないのか?この人・・・。と漆原秘書官。怪物来い!やってやる!!みたいな感じを湯沢首相からは感じられるのです。・・・まさかね・・そんなこと・・・。

    考えている間にも怪物は人々を殺してゆきます。

    カイトは今22歳。最近筋トレにはまっていて、今はニートのような生活をしています。大学を中退してから働いていません。外に出るのはコンビニとジムくらいでしょうか。元々がっちりとした体格で、決して二枚目とは言えない顔。大学に入ったは良いものの、しょっぱなに激しい口論をして、そのまま行かなくなってしまったのです。

    「全く、お前はウドの大木だよ!少しは働いたらどうなんだい!」母親からのいつもの嫌味です。まったく、が彼女の口癖。

    「ちっ!」舌打ちをして彼は部屋に戻ります。イライラしながら腕立て伏せ。部屋の中はフィギュアとアニメのポスターで溢れかえっています。彼の家はちょっとした不動産が有り、その収入で何とかやって行けるのです。

    「うるせえ、ばばあ!!」腕立てをしながらカイトは怒鳴りました。

    「偵察していた天使からの連絡です。・・・干渉できる人間が見つかった模様です。」これは別の次元で観察しているガブリエルです。

    「そうか・・」とミカエル。心なしか暗い感じの様子です。

    「ミカエル様・・やっと見つけました。日本に住んでいる男性です。」偵察の天使が言います。

    「どんな人間なのか?」カイトの情報が次々と送られてきます。

    「あまり・・・ヒーローらしからぬタイプのような気がするが・・・」とミカエル。気が進まない様子です。