タグ: エルサレム

  • 天使の翼 悪魔の影62

    天使の翼 悪魔の影62

    ・・・はいった!!・・・地面にめり込み、怪物の腹部から内蔵が少し出た。でも、そんなことは意に介さず怪物は口から光線を発射した。

    ・・!!・・光線はカイトにあたったかに見えたが・・・・顔の前にかざした手からホログラムのようにうっすらと光が出ていた。それは銀色の鏡のような楕円の縦を作っている。怪物の光線はそのまま怪物に跳ね返った。

    「ぐぴゃーーー」怪物はのたうちまわっていた。

    「え?何?」カイトはまじまじと自分が作っている銀色の縦を見た。

    「すげえ!便利!!」

    「・・・何と!光線の発射の直前に手をかざしましたよ??・・・」

    「・・・あいつは達人?なのか??それにあの能力。・・エルサレムにいったせいか??・・」

    「・・・そうなのでしょうね・・・もし悪魔が気づいたら自分の怪物を向かわせるでしょう、エルサレムへ・・」

    「・・・そうなるとやっかいだな・・・」

    カイトはのたうちまわる怪物を踏みつけた。そして首をつかんだ。力いっぱい引っ張る。

    「ぐ・・ぐ・・・ぎ・・・」そのままねじ切るようにカイトは首を引きちぎった。ちぎれた傷の部分を指差した。光線は首から入り内部を焼きそして怪物は爆発した。血まみれになるカイト。内蔵の破片のようなものが顔についている。

    「・・・勝ったようですね・・・」

    「・・・そのようだな・・・」

    「なんか・・・ごめんな・・」首だけはまだ生きているようだ。口が開こうとしている。カイトは開きかけた口に光線を発射した。串刺しになる首。そして首は完全に動きが止まった。

    戦いの巻き添えで大阪の被害は甚大だった。廃墟のなかに佇むカイト。

    ・・・ホント疲れた・・・血まみれじゃん・・・

    首をねじ切る時、傷付けられた怒りがあったのは確かだが、なんとも言えない不快感があった。気味の悪い怪物だったが、なんだか、ただ暴れているだけの動物にひどいことをしてしまったような嫌な感じがした。激怒もあるが今はただ疲れていた。 しかし・・・・怪物は再生し始めた。破片が・・・みるみる再生してゆく。首からは体が、体からは首が生えている。再生しているところに攻撃しようとしたが、それぞれの怪物の体から複数の光線が発射される気配があった。とっさに盾をつくり、カイトは逃げた。光線の乱れ

  • 天使の翼 悪魔の影43

    天使の翼 悪魔の影43

    近所の人、と自称するオジさんが、爆発の後、空中に浮かんでいる巨人のことを必死で喋っている。マシンガントークだ。

    「カイト大丈夫なのかな・・・」携帯にかけてみたがカイトはでなかった。チャンネルを変えると、違うレポーターがワシントンを遠くに望む位置から中継をしている。消滅したワシントンやモスクワの話題ばかりだ。

    「どうやら・・・・・カイトという人物が例の怪物を倒している者らしいですね。」小心な秘書官、篠原が言った。

    首相官邸の対策本部でカイトの家の爆発について、ヒーローの正体について話し合われていた。爆発からは母親と思われる遺体しか出ていない。そして息子とは連絡がつかなくなっている。ちょうど歩いていた通行人の証言を合わせれば、怪物はその家から現れたのだ。

    「監視衛星の画像です。上空に上昇したあと、西へ飛びました。そして今の映像です。エルサレム上空です。」これはアメリカの監視衛星からの画像だ。

    「何をしているんだ?」と湯沢首相。

    「それは不明です。だた、30分ほどとどまっています。」

    「もし移動しても追えるのか?」湯沢首相は言った。

    「はい。静止衛星と、複数の衛星で捉えています。国際協力体制ができているので、それぞれの衛星画像を見ることができます。現在の画像はアメリカの衛星からのものです」

    テレビ電話でその様子を見ていたアメリカの副大統領が言った。エルサレム上空の画像は勿論アメリカ側も知っている。「問題は彼よりも怪物では?」

    「それはそうですが・・彼の戦い方にも問題があります。あれでは被害が大きすぎませんか?」湯沢首相が言った。

    「・・・そうですね・・・では彼との接触はどうすればいいのでしょう?」と副大統領

    「・・カイトには友人がいます。偵察機からの報告では一度、人間を手のひらに乗せて飛んでいたこともあります」と湯沢首相。

    会議室にはアメリカのほかにイスラエル、イタリア、イギリス フランスの首脳がスクリーンに映っている。

    「拡声器で直接話しかけてみては?」アメリカの副大統領が突飛なことを言った。

    「拡声器で?もし攻撃してきたら?」湯沢が言った。

  • 天使の翼 悪魔の影41

    天使の翼 悪魔の影41

    の鍵を握る土地、エルサレムに。

    「・・・ほう・・興味があるのだな・・・」ミカエルは言った。

    「・・・まあ、ちょっとね。争いの地じゃん・・・何でだろなあと思いながらもニュースとか見ちゃうんだよね。・・・」カイトは何の気もない風に言った。

    カイトはエルサレムの上空に浮かんでいる。あまり降り過ぎれば目立つので、それなりの距離はとって、夜のエルサレムを眺める。変身を解いて歩いてみたいがパンツすがたではそれも叶わない。しかし不思議な感覚に取らわてていた。

    ・・?何だ??・・・またあの不安感だ!・・・

    「・・・カイト・・・」ミカエルが話しかけた。

    「・・・何だあんたらか、何もったいぶってんの?・・・」とカイト。

    「・・・もったいぶっているわけではない・・・違うモードで話しかけているのだ・・・

    ・・お前は選ばれた。この地に来たのにも意味がある。ここは我らの主と人類にとって特別な地なのだから・・」ミカエルは言った。

    「・・・・どしたんだよ?・・」カイトは吹き出しそうだ。

    「・・・日本の地も特別なのだ。一億人を超える人々がもつ価値観。それは今の人類からすれば少数だが、科学技術が発達していく中で必要な価値観、思考なのだ・・・あの島国にはそれらが保存されている。大陸の文化では保存できない穏やかな考え方のことだ。

    大陸は自己を主張しなければ生きてはいけなかった。だから遠慮する文化を守るために大陸から離されてあの島国はあるのだ。今、それは人類に広がらなければならない。核兵器を手にした時点で、次の考え方、感覚に修正しなければならないからだ。でなければ人類自身の兵器では滅びる。いまは丁度転換点なのだよ・・カイト・・・」ミカエルは勿体ぶった言い方をした。

    「・・・なんだよそれ?・・・強制ってこと?・・・」カイトは言った。

    「・・・いや・・・強制とは少し違う・・・自ずと・・・ということだ・・・」とミカエル。

    「・・だって拒否する奴もいるじゃん・・・」カイトは言った。

    「・・・それはいる・・それでいいのだ・・・たた・・大きな流れ・・・お前たちが運勢や、歴史の流れなど他の言葉で言うところの、大きな流れがそちらに向かうということだ。拒否はできる。しかし多数はその流れに乗るだろう。そういうことなのだ。」とミカエル。

    「・・・それってやっぱ強制?・・・」カイトはけげんな顔をして言った。


  • 天使の翼 悪魔の影40

    天使の翼 悪魔の影40

    降りてゆけばバレバレだった。いつもの雑木林にも降りる気にはなれなかった。もしかしたら狙われているかもしれない。彼は別の場所に雑木林があるか探した。

    すると・・・いつものところより遠いが結構いい感じの雑木林があった。まわりは畑だ。あそこなら歩いて帰れるだろうし、今は車も見えない。カイトはそこにさっと降りて変身をとこうと決めた。が、しかし、降りようとした時思い出した。

    「だめだ・・・俺パンツのままじゃん・・・」カイトはパンツのまま寝ていた。不思議なことだが服は変身しても破れない。変身を解くともとの服なのだ。パンツとタンクトップでヨシヒロの家まで多分12、3キロを歩く気にはなれなかった。

    「やっぱ夜まで待つしかねえ・・・」カイトはそのまま上昇した。大気圏を超え上空500キロ程のところでぽつんと浮かんでいる。ここなら偵察機より上だし、衛星のことも考えないでいいだろう。宇宙ゴミがあたっても痛くもない。

    眩しい太陽と、星。地球はテレビで見たとおり美しかった。

    「本物のヒーローなら守らなくちゃ、とか思うのかな・・」カイトはふと思った。が思い直した。

    「そんなことねえな・・・」カイトは言った。

    しばらく、ぼおっとしていると退屈で仕方なくなった。夜の側に行ってみようと思い立ったカイトは夜の方へ飛び始めた。眼下にはうっすらと国の形さえ分かるほどの明かりがあった。

    「・・・なんとなくわかるな・・・」とカイト。何故か自分がどの辺りに居るのか分かった。

    「・・・カイト、大変だったな・・・」話しかけるミカエル。

    「・・何で教えてくれなかったんだよ・・・」怒りがこみ上げるカイト。

    「・・・悪魔に邪魔されていたのだ。しかしお母さんは気の毒だった・・・」とミカエル。

    「・・まあ、それはどおでもいいんだけどさ・・・」あっさりとカイトは言った。

    「・・・そおなのか?・・・ならいいが・・・我々もなんとか知らせようとしたのだが・・うまくいかなくてな・・・これからどうするつもりだ?・・」とミカエル。

    「・・・あの辺に行ってみようと思うんだよね・・・」カイトが指さしたのは地中海のはしの方だった。

    「・・・中近東か?・・・」ミカエルはもしやと思った。

    「・・・そう。エルサレムの上にちょっと浮いてみようかなと・・・」とカイト。

    「・・・まあ・・いいが・・何故エルサレムなのだ?・・・」ミカエルは興味があるのをあえて隠していった。しかし内心興味津々だ。