「君は、あの研究を支持していなかったかね?」他の議員の一人が言った。傲慢で不遜な感じの男。
「支持?ええ・・支持していましたよ。しかし合衆国の為に役立つと思うからです。あくまでもね」ササヅカは言った。
これは半分嘘だ。心の中ではアルテミスたちが、死ぬとは思っていない。いつかは合衆国の指導者を排除することを彼は予感していた・・・お前たちの命もそう長くはないかもな・・・ササズカは心の中で呟いた。
「あんな子供が乗るのかよ?」パイロットの一人が、格納庫に現れたアルテミスを見て言った。
弱いものを見ると侮辱したくて仕方がない、心の醜い人間。それがここにいた。
でも厄介なことに彼はパイロットとしての腕は良いのだ。本当に・・厄介なことに・・・。
アルテミスのほうへ飛んでいくパイロット。彼女とすれ違いざまに頭を叩く。パイロットの方を見るアルテミス。
「何故?そんなことをするの?そんな事は良くないわ。あなた心の醜い嫌な人ね。その思考が、あなたの不幸の原因よ」彼女は言った。パイロットは途端に顔色を変えた。表情は醜く歪みアルテミスを睨みつけ「なんだと?・・・この女・・」と言った。
幸せな人は意地悪しない。古今東西の法則だろう。この男には敵がいる。殺したいほど不愉快な。
友人たちも表面上は騒いでいるが、ホントは敵同士。そしてなにより、苦しいほどに求めている恋人はいない。
一人だけ、とてつもなく好きになった女性がいるが、その人は、彼の思考の醜さに辟易し去ってゆく。つまり彼は図星を刺されたのだ。パイロットはアルテミスに掴みかかろうとした。無重力ではうまく掴めない。これが普通の少女だったら、かなり酷い目に遭わされていただろう。しかし相手はアルテミスなのだ。

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