天使の翼 悪魔の影72

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うやって?・・・」と悪魔。

「・・怪物だけが方法じゃないわ・・・カイトから離れたら・・・どうでしょうか?・・」リリスは言った。

「・・・というと?・・」

「・・・人間をそそのかしてカイト達を攻撃させればいいのでは?・・ずっと変身したままなら効き目はないかもしれないけどね・・・でも友達は人間でしょう?食料も家も必要じゃない?・・・」

「・・・人間か・・しかしヨシヒロには超能力がある・・・・でも、何故私を助けようとするのだ?・・・」疑う悪魔。

「・・・別に理由なんて・・同じ悪魔だからよ・・超能力といってもそこまで強力じゃないみたいじゃない?カイトはヨシヒロを攻撃から守ろうとしていたわ。ということは、ああいう爆発には耐えられないのよ」

「・・お前たちと私が??・同じ??・・」

悪魔はずっと一人だった。ほかの悪霊に助けを求めるなんて発想さえなかったのだ。雑魚などどうでもいい、そんな風に思っていた。

「・・・力を合わせればもっと大規模に人間をそそのかすことができるわ・・・・」

「・・・そうか・・・ヨシヒロ・・・か・・奴を殺せばカイトに精神的な傷を負わせることはできる・・・」と悪魔は言った。

天使たちはまだ知らない。悪魔は次にヨシヒロを標的としていることを。

「・・・やってみよう・・・」悪魔はそう思った。危機が訪れて初めて仲間も必要かと思ったのだ。

「・・・まずは探さなくては・・・操れる人間を・・・・」

それもそれは指導者でなければならない。

リリスと悪魔は操れる人間を求めて彷徨い始めた。どこかにいないだろうか?薄汚れた心を持つ人間は・・・しかしそんな人間はすぐ見つかった。湯沢首相だ。悪魔一人なら干渉できなかったろう。しかし今は協力者がいる。試す価値はあるだろう。

「・・・湯沢はいけそうだ・・・」

「・・・そうね・・・私にも感じ取れるわ。この男はどこか薄汚れた邪悪さがある・・」とリリス。

二人はカイトとヨシヒロを殺すことを囁きかけた。またもや繰り返し繰り返し飽きることなく。

「どうする?これから」カイトは日本へ向かって飛んでいる。廃墟に佇んでいても仕方ないのでさっさと帰途についている。

「とりあえずどこか山奥かな」とカイト。


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