の鍵を握る土地、エルサレムに。
「・・・ほう・・興味があるのだな・・・」ミカエルは言った。
「・・・まあ、ちょっとね。争いの地じゃん・・・何でだろなあと思いながらもニュースとか見ちゃうんだよね。・・・」カイトは何の気もない風に言った。
カイトはエルサレムの上空に浮かんでいる。あまり降り過ぎれば目立つので、それなりの距離はとって、夜のエルサレムを眺める。変身を解いて歩いてみたいがパンツすがたではそれも叶わない。しかし不思議な感覚に取らわてていた。
・・?何だ??・・・またあの不安感だ!・・・
「・・・カイト・・・」ミカエルが話しかけた。
「・・・何だあんたらか、何もったいぶってんの?・・・」とカイト。
「・・・もったいぶっているわけではない・・・違うモードで話しかけているのだ・・・
・・お前は選ばれた。この地に来たのにも意味がある。ここは我らの主と人類にとって特別な地なのだから・・」ミカエルは言った。
「・・・・どしたんだよ?・・」カイトは吹き出しそうだ。
「・・・日本の地も特別なのだ。一億人を超える人々がもつ価値観。それは今の人類からすれば少数だが、科学技術が発達していく中で必要な価値観、思考なのだ・・・あの島国にはそれらが保存されている。大陸の文化では保存できない穏やかな考え方のことだ。
大陸は自己を主張しなければ生きてはいけなかった。だから遠慮する文化を守るために大陸から離されてあの島国はあるのだ。今、それは人類に広がらなければならない。核兵器を手にした時点で、次の考え方、感覚に修正しなければならないからだ。でなければ人類自身の兵器では滅びる。いまは丁度転換点なのだよ・・カイト・・・」ミカエルは勿体ぶった言い方をした。
「・・・なんだよそれ?・・・強制ってこと?・・・」カイトは言った。
「・・・いや・・・強制とは少し違う・・・自ずと・・・ということだ・・・」とミカエル。
「・・だって拒否する奴もいるじゃん・・・」カイトは言った。
「・・・それはいる・・それでいいのだ・・・たた・・大きな流れ・・・お前たちが運勢や、歴史の流れなど他の言葉で言うところの、大きな流れがそちらに向かうということだ。拒否はできる。しかし多数はその流れに乗るだろう。そういうことなのだ。」とミカエル。
「・・・それってやっぱ強制?・・・」カイトはけげんな顔をして言った。
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