天使たちは個々人のことなど考えてはいない。ただ人類という種を存続させることしか関心はないようだ。
カイトは呆然と空中に漂っていた。
「俺・・勝ったのか・・・はああ・・こえええ・・・まじで二度と嫌だ・・」カイトはとりあえず自分の家の近くまで飛んでいった。もちろんそのままの姿でだ。このままでは目立ちすぎたので変身を解いた。すると途端に落下した。
「うおっつ!!」上空一キロ程のところから普通に落下するカイト。とっさにさっきの姿に変身した。
「・・ああ・・通信が通じるようになったようだね・・・全ての能力は変身していないと発揮できないので・・高度の高いところで変身を解くのは危険だ・・・」とミカエル。
「・・・あのさあ・・ほんと・・・大事なことは早く言ってくれよな・・やっぱり助けがなかったぜ?ほんとに信用していいの?」カイトはかなり恨み節だ。光線が熱かったのが効いている。
「申し訳ない。しかしすごいぞ。一撃でサンダルフォンを倒した。お前はかなり素質があるようだ。力の土台は与えたが、あとの成長はお前の持っている能力なのだよ。自信を持っていい。」ミカエルはごまかし気味に言った。
ミカエルはとっさにカイトを褒めた。その言葉にニートのカイトはまんざらでもないようだ。あまり褒められたことがなく、しかし内心では褒められることを求めていたカイト。先ほどの恐怖を忘れ、今は力を与えられたことを誇らしく思っていた。
「単純ですね。とっさに褒めてごまかすとは・・ミカエル様もえげつない・・」とガブリエル。
「心外だ。私はほんとに褒めたのだ。」ミカエルは言った。
野次馬
「あれなんだ?!」40mほどもある、あまり格好よくない巨人が近づいて来た。雑木林には一体何をしに来たのかはわからないが、数人の男たちがいた。巨人は雑木林に着陸したようだ。
「行ってみねえ?」だらだらと、その数人は巨人が着陸した方向へ歩き始めた。
カイトは家から離れた雑木林に着陸し、逃げるようにその場を離れた。変身したカイトが着地した雑木林にはもう人が集まり始めている。「何でノコノコ来てんだよ。もし俺が怪物だったらお前ら死んでるぜ」カイトはバッカじゃね
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