超人カイト12

小説

何度も繰り返すうちに、雑音に混じってわずかに声が届いた。

「・・・かいと・・・ゆ・・・・さすの・・・・かいと・・・」

「なんだよ!なんか言ってんのかよ!」途切れ途切れに天使の声は聞こえるが、訳はわからなかった。その間にもサンダルフォンは光線を発射し続けている。なんとか避けているカイト。

「・・・指をさせ!・・・指をさせ・・」とミカエル。

「指・・・何だ?指?」カイトは言った。

怪獣は口から光線を吐き出し続けている。それがカイトに当たった。

「あっつ!!やべえ何回もあたったら死ぬ!」カイトは避けるので精一杯だ。

「・・・指すのだ・・・」とミカエル。かろうじてぶつ切りに情報が伝わっている。

「刺す?!ナイフなんかねーえよお」カイトは隙をつきサンダルフォンにケリを入れた。吹っ飛ぶサンダルフォン。しかし空中で体制を立てなおした。

「・・指をさせ・・」かすれ気味だが重要な部分がカイトに届いた。

とっさに彼はサンダルフォンを指差した。すると、強烈な光があたりを包んだ。眩しすぎて周りが光で見えなくなるほどだ。指から強烈な光が発射され、サンダルフォンに命中した。命中した光は怪獣を貫き、さらに爆発を引き起こした。バラバラに吹き飛ぶサンダルフォン。

光線はかなり強力だったためそのまま突き進み、数十キロ先の新宿の上空を通った。衝撃波で高層ビルの窓ガラスが割れ、熱線の影響を受けた部分は瞬間的にではあるが高熱にさらられた。

「あっつうう!!」

「きゃああ」瞬間ではあるが熱さに、地上にいる人間から悲鳴が起こった。豊洲上空で爆発した核の爆風で、崩れた瓦礫の下敷きの者、倒れている人、救助を待つものの上にさらに輻射熱が照射されたのだ。

「・・・強すぎましたね・・・威力が・・・街にいる人間にさらに被害が出ています」とガブリエル。

「しかし、あれぐらいの威力がなくては勝てないだろう・・・なんにせよ勝ったのだ・・それで良しとしよう・・・もしカイトが戦わなければ人類は絶滅していたわけだし・・絶滅よりは良いだろう・・」とミカエル。


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