高みの見物
カイトの部屋のテレビはキノコ雲と、そこに現れたサンダルフォンを映し出している。
「すげえ・・・」カイトは食い入るようにテレビを見ていた。
すると・・・突然・・大変な不安感が襲ってきた。いてもたってもいられない。体をじっとしているのが辛い。
「なんだ!・・どうしたんだ・・俺は・・・」部屋の中をうろつく。
「やばい・・・やばいぞ・・・」部屋から出てしまいそうだ。しかしこんな状態で外になど出られない。うずくまって足をバタバタさせるカイト。
「・・・聞け・・聞くのだ・・・」ミカエルが接触を試みているのだ。
「・・聞け・・・」
「なんだ一体!俺に言ってるのか!!」言語ではないが、一種の想い、がカイトの頭の中に入っていくる。
「誰なんだよ!」とカイト。
「・・・お前に力を与える・・・今怪物・・サンダルフォンを見ただろう?・・・」テレビでは映っていないアングルの画像が直接頭に映し出された。
「・・・これはお前たちが悪魔や悪霊と読んでいるものが作り出したのだ。・・・」とミカエル。
「??」話を聞いているうちに不安感は薄れていった。
「力って・・・??」とカイト。
「悪魔も私たちも、直接お前達の世界に干渉することは制限されている。人類の中で唯一おまえだけに力を貸すことができるのだ・・・お前が変身し、あの怪物と戦うのだ。・・・」とミカエル。
「??変身・・??」落ち着いてきたカイトはなんだか面白そうだな・・と思った。
「お前さー悪魔とかって信じる?」スカイプでパソコンのカメラに向かって友人のヨシヒロと会話するカイト。ヨシヒロはカイトとは高校の同級生だ。大学には行っていない。今は家業の不動産業を継いでいる。
「?悪魔って・・どうしたの急に」ヨシヒロは少し笑った。
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