・・ああ・・これは例の・・ことごとく怪物を倒した、カイト、か・・・しばらく悪霊は見つめていた。
「・・・カイト・・何かが見てる・・強く認識してる・・・」
「・・・おや?・・気づいた・・そんなに強く意識したかな・・・」悪霊は少しだけ驚いた。別にしばらくしたら立ち去るつもりだったのだが、つい見つめてしまったのだ。
「・・・ああ、俺もわかった・・なんだ?この感じ・・今まで感じたことないぜ・・見られてるなんて気づいたことない・・・」
「・・・こんにちは、私はパズズ、聞いたことある?人間的に言えばそんな名前だ・・・」
「・・・あります。何かの神話の風の悪霊?あなたは悪魔?・・・」
「・・・そんなところだ・・・実はそんなに区分けはないんだがね・・」
「・・・何か用ですか?・・」ヨシヒロが主に話している。カイトはこういうことは苦手だ。
「・・・融合か・・面白いですね、こんなに早く、そんなことが許されるとは・・いや、別に何をしようというわけではないのですよ、ただ散歩?のようなことをしていただけです。・・」
ヨシヒロは警戒していた。言っていることを鵜呑みにはできない。
「・・・多分もっと上位の天使が許可したのでしょう?・・あなたがたの融合は。・・・」
「・・・それはミカエルも言ってましたよ。もっと上位の型なんですねあの方・・」ヨシヒロ優勢の意識が言った。
「・・直接見たのですか?・・・」
「・・いいえ・・ただの光でした。意思は伝わってきましたが、半分まどろんでしまって・・・・」
「・・・そうでしょうね。人間の認識力のままでは耐えられない・・・私も会ったことはない・・気配のような・・・そんな感じならありますがね・・・」ヨシヒロは何故そんなことを話すのだろうと思った。
「・・・・大丈夫か?何か企んでんじゃねえの?。・・・うん・・分かってるよ・・そうかもしれない・・・」
「・・そんなに警戒しなくても・・・・カイト君は心配してるの?・・・」
「・・心が読めるんですか?・・・」
「・・いや・・読めませんよ・・そんな感じかなって思ってね・・・疑うのも無理はない・・悪魔の一味ですもんね・・・」その悪霊は上位の天使に興味があったのだ。
彼も直接会ったことがない上位の天使。悪魔と角付き合わせているミカエルなどとは違う。そして人間なのにそれと合うことができたヨシヒロにも興味があった。
・・・彼らをしばらく観察しよう・・どのみち暇だしな・・・
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