「それはないでしょう。人類のために戦っているように見えますが?・・まだエルサレム上空に留まっている。一体何があるというのでしょうか?」イタリアの首相が言った。
「神に関係があるかもしれませんね」あっさりとイスラエルの首相モルデカイは言った。湯沢首相は少し怪訝な顔押した。いきなり神というセリフだからだ。
「エルサレムは聖なる都です。そこに超自然的な存在が、ああやって留まっている。神に関係があると思った方が自然では?」とモルデカイ。
日本人である湯沢首相にはよく分からない感覚だった。それはユダヤ・キリスト教の神では?と思ったが口には出さなかった。
「それと気になっていたことがあります。何故こうも日本ばかりなのでしょう?二体の怪物、そしてそれに対抗する彼。」未だにエルサレム上空にとどまっているカイトを見ながらモルデカイは言った。
「そこです。我々も不思議でならない。何故日本なのか・・我々の文化と一神教はあまり関わりがない。」と湯沢。
「いくらここで議論しても答えは出ないのでは?今はその友人、ヨシヒロとの接触が必要ですね。」とモルデカイ。
湯沢首相は既にヨシヒロに政府関係者を送っていた。
「その件に関しては彼の友人に、捜査員を送っています。」
捜査員
夜、灰色のスーツを着た普通の若い人、という感じの男がヨシヒロの家にやってきた。
「はい」インターホンの画像を見ながら返事をするヨシヒロ。
「夜分遅く済みません・・・ヨシヒロさんはいらっしゃいますか?」
「どちらさま・・・でしょうか?」インターホンの画像の後ろに見えるのは警官だろうか?
「すみません。会ってお話がしたいのですが・・私は警察の者です。」と捜査員。
「警察・・・ですか・・わかりました。少々お待ちください。なんだろう?なんで警察?まさかカイトがらみ?!」玄関へ向かうヨシヒロ。そしてドアを開けた。
ヨシヒロは何も言わなかった。言いたくなかったから。なんとなく相手へ顔をむける。
「少々お話したいことがありまして・・」捜査員はヨシヒロと違い自然な笑顔を向けている。
「どんなお話でしょうか?」とヨシヒロ。
コメント