天使の翼 悪魔の影92

小説

「・・・いいのか?カイト。ヨシヒロと同じ世界に行けなくても?・・」カイトは起き上がった。

「・・は?なんつった??・・」カイトはマジギレに近い。

「・・ヨシヒロに会えなくても良いのかと言ったが?・・」天使らしからぬ脅しだ。

「・・すげえムカつく・・・なんすかあんた?・・・」カイトはいった。

「・・・私はお前をヨシヒロとは違う世界へ送ることができる。二度と会えない世界へな。どうする?従うか?・・」カイトは黙った。激怒しているのだ。

「・・・なんなんだよ・・・」しかしカイトはふと思った。

「・・ほんとすか?それ?・・結構あんたら無能っすよね?・・そんな権限なさそうだぜ?・・神様ってこの会話聴いてるんだよな?・・・天使が人間に嘘をついて脅して。もしそんなことをしたらあんたらこそ地獄行きじゃねえの?・・・」ミカエルは黙った。図星なのだ。天使にその権限はない。第一、生身の人間に干渉することだって限られている。そのために苦労しているのだ。

ガブリエルは言った「・・・見抜かれましたね。どうするんです?怒りに任せて、なれない脅しなどかけるから・・・・」

「・・・お前は・・うるさい・・・ほんとに嫌な奴だな・・・ほんとに見方か?」ミカエルは初めての脅しをかけて失敗した。そんなことをせず頼むしか選択肢はないのに。

「・・・悪かった。私も混乱してしまって・・そうだな、頼むしかないのだ。行ってくれないか?もちろんお前の精神状態がひどいのは知っている。しかし我々はこれ以上お前たちの次元に干渉はできないのだ。・・・」ミカエルは素直に頼んだ。

どのみち他の道はない。もはや天使も意地になっていた。本来は人類を守り導くのが役目だし、その名目でカイトに能力も与えた。しかし今はあの憎たらしい彷徨うものに負けるなど、考えただけでも嫌だった。

カイトは黙っていた。実は気持ちも落ち着いてきていた。カイトのいいところでもある。意外な責任感とおかしな考え。そして自分だけにこの能力があることを内心かなり喜んでいる。人は分からないものだ。結構痛い目にあっているはずなのだが。

「・・・行きますよ。・・・ここまで戦ったし、そういえば・・俺っていつまで変身し続けられるんすか?・・・なるべく長く宇宙に居続けたいんで・・・」今のカイトは、地球に居づらい。

だから変身できる時間のことが気になったのだ。「・・・そうだな・・・最初からは随分と伸びたと思うが・・・多分だが、一ヶ月くらいは連続で変身し続けられると思う・・しかしギリギリまで変身を続けると、力を貯めるのに一週間程かかってしまうだろう・・だから限界まで変身を続けるのは勧められない。変身できない時には、銃でもお前は死んでしまう。要は普通の人間と同じということだ。こまめに変身をといて

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