天使の翼 悪魔の影85

そのことについては何も触れていない。

カイトはカモフラージュして飛び立った。アメリカに向かっているのだ。もう彼にはどうでも良かった。彼らが悪魔に魅入られていたとしても、怒りは収まらなかった。

「・・・今アメリカの指導者ってのはどこにいるんだ?・・・ワシントン?じゃねえだろ?

壊滅状態だろうしな・・」

「・・・彼らは地下にいる。核シェルターだ。場所を教える・・」天使はシェルターの位置をカイトに送った。アメリカの地図の中に赤い印が示された。

「・・ここにいるのか・・・」

「怪物は確認できません」監視衛星が爆心地を捉えている。アメリカにあるシェルターのか中彼らはカイトのことも怪物と呼んでいた。

「奴はカモフラージュできる。赤外線で探るんだ。」赤外線でも見えないが彼らは他に手がない。副統領が今の大統領だ。彼が、カイトに水爆も通じないであろうことを知っていた事実は、スルーされていた。

「どうするんですか?」国防長官は内心呆れていたがそれを隠して言った。カイトはここを攻撃するだろう。この愚かな男の決断のせいで私も死ぬのだ。

・・いや・・・もしかしたら助かるかも・・・ここは地下80mの深さなのだ。・・・

国防長官は楽観的な希望にすがろうとしたが、すぐにそれを打ち消した。あの怪物の力はよく分からない。ただことごとく敵の怪物に勝ったのだ。水爆20発も効果がないだろう。

「赤外線にも反応はありませんが・・太平洋上におかしなものが写っています。」すごい速度で伸びています。秒速およそ24キロ。」

「24キロ?」海が衝撃波によって弾かれていた。その軌跡だけが写っているのだ。

「やつだ!!姿を隠しているんだ!」

「ここの場所はわからないはずです」

「そう・・・だな・・・しかし闇雲に攻撃するつもりでわざわざ来るのか?」

「まさか・・・我々の知らない方法でこの場所がわかるとか?」立体映像の地球がホログラムで浮かび上がっているが、それを見るとカイトと思われる物はまだ太平洋上だ。しかしまっすぐ彼らのいるシェルターに向かっているように見える。まるで位置を知っているかのようだ。大統領や国防長官は内心不安に駆られていた。場所を知っているはずがない。彼らは自分に言い聞かせていた。

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