
「・・・あたしもびっくりです・・・」とリリス。
日本軍の東京湾基地にアメリカの輸送機が着陸した。中にいるのは海兵隊。車両や人員が続々と降りてくる。悪魔たちの囁きが功を奏し、アメリカから海兵隊が送られてきたのだ。人間の状態のカイトを攻撃するために。
「到着しましたね。」日本の国防長官が言った。
「カイトとヨシヒロ?か。彼らは危険すぎる。」湯沢首相は諦めていない。と言うより、毒殺と同時進行で計画されていたことなのだ。彼らが持っているのはありったけの化学兵器と生物平気だ。全く無駄なことなのだが、そのことに湯沢首相は気づいていない。
何かがおかしい。さすがに人への干渉がこんなにうまくいくことに悪魔とリリスは不安を感じた。うまくいったら行ったで怖いのだ。実は小心な二人。
「・・・変です・・私たちの囁きがこんなにたくさんの人に通じているなんて・・・」リリスは言った。
「・・確かにおかしい・・多分天使でさえこの人数に干渉はできないのに・・」彷徨うものは訝しんだ。確かに今も人間を誘惑している。しかしこんなにはっきりとは、できないはずなのだ。それにそんなに力は残っていない。だからこの数の人間を操れるわけはないのだが・・。
天使たちも訝しんでいた。
「・・・彷徨うもの、悪魔が急に力を増している・・・指導者ばかりが影響されている・・?これは一体??・・・」
一般の市民は大部分がカイトが必要なことを理解していた。しかし国を率いるものばかりがカイトを敵視し、無駄な抵抗を諦めることができないでいた。
「・・・効率よくカイトを攻撃させるためでしょうか?一般人を操っても大したことはできないから?・・・だから指導者ばかりなのでしょうか?・・・」とガブリエル。
「そうかもしれない・・・しかし人間の武器は全て通じない。生物兵器化学兵器も効果はない。変身すれば治ってしまう。・・・やけっぱちなんじゃないか?無駄でもなんでもやってみろって思ってるのかもしれないな・・・」ミカエルは言った。
「お前怖いからなあ・・ほんとにやっちゃいそうだな」カイトはヨシヒロに向かって言った。
「うーんホントにやると思う。あんまり罪悪感はないかな・・・もうどうでもいい。あんな人たち」
「へえ・・」
「カイト、僕のこと怖いと思った?」
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