「・・・ヨシヒロは変身より超能力のほうが好きそうですね・・・わかってらっしゃったのですね・・・」ガブリエルは珍しく感心したようだ。
「・・・ま、まあ・・・そうだな・・・」ガブリエルは本気でミカエルが全部承知してやっていると思ったが、実は適当だった。
「・・・では・・」ミカエルはヨシヒロに力を加えた。予想のとおりヨシヒロに干渉できる。多少の壁はあるらしいが、力は十分に伝わってるようだ。
・・これは?・・・・
宇宙空間に光が見える。
・・あれはなんだろう?・・その光がどんどん近づきヨシヒロは光に飲み込まれた。気がつけばさっきいた別荘にいる。
「何か?変わったのかな・・」
「・・・試しになにか動かしてみるがいい・・・」
「動け・・・?」テーブルの乗っているコップは動かない。
「動け・・・」やはり動かない。
「・・・言葉ではない・・動かすのだ・・」天使たちはカイトの時と同じ人間にはわかりにくい説明をした。
「いや・・だから動かすために・・今努力中でして・・」
「・・・動かす・・だけなのだがな・・・」小馬鹿にしたようなミカエル。
「・・・ミカエル様、人間の思考ではそこはわかりにくいかと・・・」
「・・お前は既に動かせるのだよ・・・その感覚だ・・」
「・・???既に?・・・・・」その時だった。コップは浮き上がった。
「あ!!そうか!既にできるのか・・」
「・・・飲み込みは早いな・・・」
「・・・元々その感覚をうっすらとは感じていたのでしょうか?・・・」
「・・・人間の世界にもそれを暗示する言葉はあるしな・・・」
カイトは宇宙空間に逃げきった。怪物は追ってこない。
「・・・甘いな・・・自由意思をもたない怪物でよかった・・・今追ってこられたら厄介だからな・・・カイト・・そのまま逃げるのだ。もっと地球から離れるのだ・・・」ミカエルは言った。自由意思がない怪物はカイトを見失って追うのを止めた。
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