も地面をなぞった。一回発射して終わりではない。光の柱となって市街地を丹念に焼き払っている。
「どうしたんだね?カイト君・・」湯沢首相はいぶかしんだ。カイトは目を開いているが、心ここにあらずという感じだ。カイトは今応接間のようなところに居る。湯沢首相から感謝の言葉を送られているのだ。
そこに女性が入ってきた。
「お話中すみません。また怪物が現れました。」湯沢首相は無表情に近い感じでむっとした。
明らかにやれやれ顔だ。少しうつむき深呼吸をした。
「聞いたの通りだ・・・カイト君・・・また戦ってくれるかね?」
カイトはうわのそれから少し戻り、
「あ、出たんすね・・わかってます・・・」官邸を出て変身するカイト。
第三の怪物は強力だった。二人の人間を合体させたのだ。カイトの光線の効きが悪い。あまりダメージを受けていないようだ。
・・なんだよ・・あいつ・・・
カイトはさらに出力を上げた光線を発射した。命中するものもあり、多少怪物の表面は焼かれているようだが・・・しかし・・怪物の動きは、今までのものよりずっと速かった。なかなか当たらない。そうこうしているうち怪物の手の平からいくつもに別れた光線を発射した。
「わっ」カイトは避けようとしたが足にその光線が当たった。激痛が走る。そのまま飛び、距離を取りながら足を見ると出血していた。表面も裂けている。
「いってええ!!」それでもカイトは飛びつづけた。音速を超える速度で逃げている。
・・・やべえよ血い出てんじゃん・・とにかくいてえ・・・
そこから上空にあがり宇宙空間に向かう。カイトは震えていた。
・・・このまま逃げちまおうか・・月にでもとりあえず行って・・・
「・・・どういたしましょう・・・・形成が不利なようです。」ガブリエルが言った。嫌な予感がする。今度の怪物は少し違う。それはミカエルも感じているようだった。しばらく考え込んでいる。
そして言った。
「・・ヨシヒロに力を与えてみようと思う・・・」
「・・・!できるんですか?・・・」
コメント