に向かいます。」それとは裏腹に冷静に見える態度でまくし立てた漆原。
「そうか、頼むよ。私はこれからイスラエル首脳との会議だ。この件は中村君に任せてから君も来てくれ」拍子抜けするほどあっさりと湯沢首相は去っていった。
「驚いた・・・良かったよ。あれですんで・・」
「そんなにビクビクしなくても・・普通だったじゃないですか」
「え、まあさっきはね。いいことでもあったんじゃないですか?アメリカの副大統領と話してたしね。」
「どうして副大統領と話すと機嫌がよくなるのかしら?別に女性じゃなかったわよね?」
「いや・・別に・・・きっと話が盛り上がったんでしょ?雑談だってしてるみたいだしね。それよりヨシヒロとカイトの確保を頼むよ。カイトはちょっとわからないけど・・」
「分かったわ。ヨシヒロ名義の別荘があるはずだからそれを調べるわ」
「警官には無茶をさせないでね。カイトには勝てないだろうから。あくまでも協力を求めるていでお願いします。」
「わかってる。そんな無茶はさせないわ」
眠りからさめたヨシヒロ。カイトはまだいびきをかいて寝ていた。水を飲んでから、しばらくカイトの方を見ている。起こそうか迷っているのだ。あれから1時間ちょっと経っていた。思ったほど眠れない。疲れているのに・・・やはり不安なのだろう。
・・・政府に協力。その選択しかないのかな・・・
ヨシヒロはカイトが起きるまで待つことにした。テレビをつける。ソファーに座りテレビを眺めた。相変わらず世界の大惨事のニュースばかりだ。そしてカイトとヨシヒロのこと。
音がした。カイトが起きたようだ。苦々しい顔をしている。そのままトイレに向かい、出てから何も言わずにペットボトルの水を飲んでいる。
「で・・・どうするのもう少しこのまま?それとも早速政府のところに行くの?あ、買い出しかな?」
「いやあーーもう少しこうしていよーかなー・・・と」
「あーーあはは、そう来たんだーーー」
「あはは」
「あははは」二人は笑った。
軽井沢警察にヨシヒロの別荘に向かわせるために連絡が入っていた。。
官邸では軽井沢へ向かうため到着したヘリに中村が乗り込んだ。
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