めて言ったがカイトには伝わっていないようだ。
「すげえ眠い・・」既に目をつぶっているカイト。
・・こりゃあずっと寝ちゃうな・・・ヨシヒロは思った。そしてそのとおりカイトは30分たっても起きなかった。
コンビニへ向かうヨシヒロ。カイトはしばらく起きそうにない。自分もお腹がすいたし、何故か大丈夫だろうという気もしたから、一人自転車で駅の近くのコンビニへ向かっている。
今のところ数人位しかすれ違ったりしていない。夏の夜とはいえ散歩している人はそんなに多くはない。コンビニでさっさとカップラーメンやサンドイッチ。おにぎりや冷凍食品を買い別荘に戻った。
「何食べてんだよ?」不機嫌な顔でカイトが言った。
「何って・・・・起きたの?だってお腹すいちゃって、一人で買ってきたよ。カイトの分もあるよ、沢山買って来たから」思ったより早く起きたカイトに驚きながらもヨシヒロは言った。
「ん・・・」ぼーっとしながらテーブルの上のコンビニ袋をゴソゴソと探るカイト。
取り出したのはカップラーメンとおにぎりだ。
「典型なんだね。ひきこもりゲーマーのチョイスって感じ」ヨシヒロが言うとカイトは苦々しい顔をしてヨシヒロを睨んだ。「お湯は?」
「そこにあるよ、電気ケトル」ヨシヒロは流しの隣のケトルを、ほれそこにある、という感じで指示して言った。のそのそとお湯を注ぎ、待っている間おにぎりをほおばるカイト。
「でさあ、どうするの?これから僕もとばっちりだしねえ・・・」今度は嫌味と解釈してくれる事を期待してヨシヒロは言った。
「だからごめんて・・」とカイト。
「嘘、ごめんちょっと言ってみた。なんとかはなるんじゃない?ちょっと協力するのはどお?」とヨシヒロ。
「誰に?」
「政府の人に」とヨシヒロ。
「・・・・・」カイトは黙った。
「だってさ、実験動物扱いはされないじゃん。いざとなったら変身して逃げればいい。それに漫画みたいな人体実験しないよ?多分。生かしておいて、それで調べるんだよ。せいぜい採血とかじゃない?それでdnaだって調べられるんだし。漫画とかだとさ、無用に切り刻んだりするけど、まああれは演出というかなんというか・・・」とヨシヒロ。
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