「・・・あんなこと言わなくっても良いのになあ。あの写真どうやって手に入れたんだ・・・」カイトは言った。
「・・・マスコミとはあんなものだろう・・・というより当たり前ではないのか?その人間がどんな人間か知る一環だろう?・・・」ミカエルは不思議そうだ。
「・・・そりゃまあそうだけどさ・・・・」理屈では分かっていても感情では不愉快なカイト。
今カイトは日本へ向かっている。まだ日が出ているがヨシヒロの家の上空で待つつもりだった。
「・・・ヨシヒロの家は見張られているぞ。気づかれずに入るのはまず無理だろうな・・」とミカエル。
「・・・どうしたらいい?このまま行くか・・・」カイトは言った。
「・・・!!変身したまま?・・・」とミカエル。
「・・・ああ、パンツとタンクトップで、のこのこ玄関に行けねえよ・・・・」カイトは言った。
「・・・しかし・・・」ミカエルはなるべく変身後の姿をさらしてほしくはない。
「・・・もうバレてるんだろ?だったら構わねえよ・・・」とカイトは言った。
夜になった。カイトはそのままヨシヒロの家の上空に降りていった。
「カイトと思われるの怪獣が・・・ヨシヒロの自宅上空に現れました!」見張っていた私服警官は慌てた様子で報告した。言葉の通りゆっくりと、変身したままのカイトは降りていった。
「ヨシヒローいるー?」かなりの音量だ。
「何!」窓を開けるヨシヒロ。
「うわあ!!何してるのカイト!」窓の外に、斜め横になったカイトの顔があった。足が道路に入らないため、ほとんど逆立ち状態だ。
「ああ良かったよ、居て。ちょっとさー付き合ってくんねえ?」とカイトは言った。
「えええ??今?」ヨシヒロは言った。
「そうだよ。ほら警官とかきちゃうじゃん、早くしないとさ」カイトは言った。
「ちょっとまってよ。すぐだからさ・・・」ヨシヒロはカバンに財布と携帯を入れ金庫の方へ向かった。こういう時は現金なのだ。彼の家は不動産業を営んでいた。今はヨシヒロが一人でやっている。銀行に大部分はあるが、リスク分散?のつもりで家の金庫にも現金を用意していた。札束をカバンに入れ、カイトの手のひらの上に乗った。
「じゃあ飛ぶからな。捉まってろよ」ゆっくりの地上から遠ざかるカイト。そのまま加速してゆく。
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