天使の翼 悪魔の影42

「・・・いや・・・だから・・・何といっていいのか・・・例えば・・もったいない、や改善、という言葉が外国で広がっているだろう?彼らは強制されているのか?」とミカエルは言った。

「・・・あ、そうじゃないね・・強制されてない。」とカイト。

「・・・その流れのことだ。それを言っている。・・・」とミカエルは言った。

「・・・へええ・・・そんな流れが来るのかな?・・」カイトはこういう話には疎い。宗教、と聞いただけで、俺そういうの分かんねえから、と返すのがかっこいいと思っている。

「・・もう始まっているんだよ・・・我々の干渉もその一環なのだ・・・こんなことは今まで許されていなかったのだから。」とミカエル。

エルサレムの上空でカイトは新しい啓示?を受けた。

「・・・でも最初は、何であんなにもったいぶってたんすか?」カイトはしつこい。

「・・まさに天使の役割の通りのことをしたからだ・・・全能者の言葉をお前に伝えたのだよ・・・」ミカエルは言った。

「・・!何それ?・・・」

「・・直接伝えてもお前たち人間には理解できない。だから我々が仲介する。全能者の意識などお前たち人間には想像さえできないだろう?」とミカエルは言った。

「・・・そりゃ・・そうだけど・・・」とカイト。

「・・・・で、もったいぶって何かが変わったのかな?・・・」カイトには今のところ何の実感もない。

「・・・新たな力が与えられたはずだ・・・」ミカエルは言った。

「・・・はずだ?・・・前みたいなことあるわけ?・・・」カイトは初めの怪獣のとき、聞いていなかったことがあって、痛い目にあったことを言っているのだ。

「・・・我々にも全能者の考えは分からない、所詮有限のものだからだ・・・」ミカエルは少し誤魔化していった。

悪魔は歯ぎしりしていた。歯があればだが、そんな感じの意識ということだ。彼のすることは今のところ全て失敗している。悔しくてたまらない。

・・・私は神に嫌われているのだろうか?・・・

不思議に思えるだろうが、悪魔は自分が悪いことをしているとは思っていない。

ヨシヒロはテレビを見ていた。爆発したカイトの家の前でレポーターが中継している。

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