天使の翼 悪魔の影33

やんのかステップ↑

「・・・スゴイ能力じゃないか・・・格闘技なんてやってなかったのではないか?彼は・・」ミカエルは言った。

「・・・はい、大抵家にこもっていますが・・・」とガブリエル。

「・・ん・・しかし初期設定から進歩している・・・掘り出し物だったな・・・」ミカエルはうまくいったことにご満悦だった。カイトの能力は着実に進化していた。これは異例のことだった。天使が与えたのは基本の変身能力と僅かな力だ。後の進化は当人の才能と努力によるのだ。

「もう一つの怪物もどこから来たのでしょうか?」ニュースは数十の核爆発クラスの破壊をもたらしたキャスリーンのことで持ち切りだった。今回は日本だけではなく、アメリカやロシアなど多くの国に被害が出たからだ。被害はまだはっきりとはしていないが大都市がいくつか消えたことから数千万人の犠牲だろうと予測されていた。

    カイトの正体と相葉

天使たちの危惧が現実になりそうだった。カイトが雑木林に着陸したのを見られていたのだ。そして出てくるところも。

「あいつじゃねえのか・・・」相葉はスマホでカイトを撮影しながら呟いた。

彼は今話題のヒーローを突き止めたかもしれないのだ。距離をおいてあとを付ける。

・・・自転車・・・?

相葉は笑いそうになった。ヒーローは自転車で家に帰るらしい。カイトは国道へでて自宅の方へ向かった。

彼は車に急いで戻った。しかし止めてある所はここから遠い。車に戻り国道へ出た。

「いるかな・・・」しばらく国道を進むと自転車に乗ったカイトがいた。あの男だ。

「ラッキー。曲がってなかったか・・」ひとり相葉はつぶやいた。彼は音楽をかけた。しかしこれからが意外と難しい。カイトはゆっくり走っていた。スピードを出してくれれば車で跡をつけるのは少しは楽なのだが、カイトの自転車の速度に合わせてはいられない。もう少しすれば後ろの車からクラクションを鳴らされさそうだ。

・・・ダメだ・・ちょっと止まるか・・・相葉はハザードを付け左に車を止めた。しかし止まってしまうと車が混み始め、なかなか車線に戻れない。そうしている内に相葉はカイトを見失った。

「あーなんだアイツ。タラタラ走りやがって・・」相葉は悪態をついた。その後、道を進んでもカイトを見つけられなかった。どこかで曲がったのだろう。

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