天使の翼 悪魔の影32

キャスリーンはカイトに突進し、触手で直接攻撃して来た。カイトは一本目の触手を避けられたが、死角からの触手に弾き飛ばされた。地面に叩きつけられるカイト。キャスリーンは地面に叩きつけられたカイトに光線を発射しようとしたが間一髪カイトは空中に飛び上がった。

しかし右足に光線が当たった。

「あっつ!!ちくしょー」カイトは飛び上がった勢いのまま弧を描き、怪物の頭部にケリを入れた。今度はキャスリーンが地面に叩きつけられた。カイトは躊躇せずそのままキャスリーンの頭を指差した。光線がキャスリーンの頭をえぐった。

・・・あまり飛ばしすぎるともたねえな・・・頭がフラフラしていた。

・・やべえ光線貫通しねえ・・・カイトはそのまま光線を照射し続けた。大きくなってゆく爆発と光。怪物は逃げようとしたがそれに合わせてカイトも腕を動かし光線を当て続けた。キャスリーンは轟音のような叫び声を上げて低空を飛び、なんとか逃げようとした。

しかし照射に耐え切れず破壊されてゆく。飛ぶ力を失い地面に着地するキャスリーン。ゴソゴソと蠢く触手はまだ動いている。

カイトはよろめきそうだった。光線も限界に近い。少し休まなければ立っているのも辛い。

・・・く、苦しい・・・しかしやめれば逃げ出してしまうかもしれない。その時だ。

「わっ」カイトは小さく叫んだ。触手からの光線がカイトに当たった。

カイトの光線が途切れた。キャスリーンは素早く飛んで逃げた。

「あいつ!まだあんなに動けたのか!」キャスリーンすでにボロボロだ。しかしスピードを上げカイトから離れてゆく。カイトは一応追いかけた。もう体力が限界に近い。人間で言えば走ろうとしてるのに歩いてしまっているような状態だ。

「ちくしょー・・速く飛べねえ・・」カイトは地面に着地し両膝に手をついて息を整えている。そのまま怪物を睨みつけた。視線の先で、力尽き、のたうつキャスリーン。カイトは一歩踏み出した。

「うおおおお!」そのまま急加速して走りだした。しかし普通のダッシュではなかった。キャスリーンとの距離は数キロ。一気に加速したカイトは僅かの間に秒速数キロまで加速し、そのまま怪物にケリを入れた。鳴り響く轟音。キャスリーンは半分ちぎれながら吹っ飛んでいった。

カイトは気が遠くなりながらも指差した。一瞬だけ発射された光線。しかしそれは半分にちぎれたキャスリーンをバラバラに吹き飛ばした。

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