「ワシントンに怪物・・・いえ・・キャスリーンから発射された光球が落ちた様です。」
テレビ画面に録画の光景が映し出された。小さな光るものが地面に落下し、次の瞬間には強烈な光に変わった。
「日本にもあの光球は落ちています。新潟県の苗場付近です。」別の画面にワシントンと同じようなキノコ雲を、上から眺めたような画像が映っている。十数年前ある大統領が他の国より自分の国を優先するとの政策転換以来、日本も自国の監視衛生を複数持つに至っていた。
「・・・カイト・・・大変なことになっているぞ・・・」天使は廃墟になった大都市の画像を見せた。
「うわ・・これまじで?」ベッドに横になったままカイトは画像を見ていた。
「でもさー熱いし痛いし・・俺じゃないやつでもいいんじゃねえの?」とカイト。
「・・お前だけなのだ。力を与えられたのは・・・」とミカエルは言った。
「嘘!俺だけ?」急に目覚めるカイト。
天使は少し驚いた。カイトが何に反応したのか分からなかったためだ。
「俺だけかあ・・そうかあ・・それって俺がほかのやつよりスゲエってことだよね?」とカイトは言った。彼は笑顔を抑えられない。
「・・ん・・ま、まあ・・・そうだ!凄いということだ・・」とミカエル。
「しょうがねえなあ・・やってやっかあ」のそのそとベットから起き出すカイト。
「・・・少し馬鹿なんじゃないですかね・・カイトって・・・」ガブリエルは言った。
「・・・だまっていろ・・やる気になったようだ・・・」ミカエルは言った。
カイトは自転車で人気のない雑木林に向かった。風が冷たい。変身してしまえば全く気にならないし、自分がスゴイ、そのことで彼はにやにやしていた。
さらに加速したキャスリーンはアメリカ西海岸へ到達していた。例のごとく触手から光線を出し街を破壊している。避難指示が出されていたが全く間に合っていない。
泣き叫びながらも光線の爆発に吹き飛ばされる人々や建物。大統領が不在となった今、副大統領が指揮を執っているが、水爆を使うか彼は躊躇していた。一応通常兵器による攻撃はされている、しかし予想の通り全く効いていない。
「致し方ありませんね。水爆を使いましょう」生き残った国防長官が副大統領に進言した。
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