「・・意外とカイトはイケルかもしれんな・・・ほかに選択肢がなかっただけだが、面白いものだ・・・」ミカエルは意外な結果に満足なようだ。
「・・主のお考えのとおりなのでしょうね?カイトしかいなかったのは・・」ガブリエルはふとつぶやいた。
「・・・今更何を言うのだ。・・決まっているだろう・・カイトの件は主のご意志なのだ・多分・・もしかしたらだが、我々にも自由意思などないのかもしれないな・・・自分で選んだつもりでも、それも決まっていたのだろうか?」ミカエルは独り言のように言った。
爆発して巨大化した吉賀はもはや破壊することしかないようだ。まどろんだ意識の中、ただ破壊したい。暴れたい、それだけしかない存在になった。怪物はまた街を破壊し始めた。
「どうして日本ばかりなんだ!」湯沢首相は連絡を受け怒鳴った。不運にもこの国に二度目の怪物なのだ。
・・・この人、疫病神?・・・ついてゆくのはヤバイかな・・・秘書官漆原は思った。漆原は小心だが保身への情熱は尋常ではない男だ。
カイトは寝ていた。新幹線で仙台へ帰り、ヨシヒロの車の回収に付き合って、またニートの日々を一週間ほど過ごしていた。電話の音で起されるカイト。
「・・・俺だけど・・」とカイト。
「また怪物がでたって、今度は水戸だよ。」ヨシヒロの声は弾んでいる。楽しいのだ。
「・・・ん・・あーー」とカイト。
「ごめん寝てた?」とヨシヒロは言った。
「うん・・」
「あれ?行かないでいいの?」ヨシヒロは言った。
「ん・・・どこへ・・・」カイトは自分が使命を持っているなんて思ってもいない。
「あ、だから怪物の所。」とヨシヒロ。
「ああ・・いくよ・・でも、めんどくせえ・・・」カイトはベッドから出ようとはしないで言った。
「まあ、無理に行くことはないと思うけどさー。じゃあもうちょっと寝てからにしたら。」とヨシヒロ。
「ん・・・」
「じゃあね」ヨシヒロは電話を切った。
それを見ている天使たち。
コメント