天使の翼 悪魔の影21

小説

「スピードを上げていったら音が消えた。あれってそうなんだろ?」カイトは言った。

「音より早く動いたから・・ねえまさか今、音速超はしないよね?気のせいか風が多少強くなったような気がする。スピード上げた?」ヨシヒロは少し不安だ。うっかりスピードを上げられて死んでしまっては元も子もない。

「上げてるよ。けど大丈夫だよ。そこまで上げねえし」不安を感じさせるカイトの口調。そう言いながらもうっかり速度を上げそうだ。

ヨシヒロは不安だが前方をなんとなく見ていた。不思議な光景だ。巨人の指越しに暗い地面と上には星空。

3、40分ほど経った頃だろうか。新宿の上空に到着したようだ。豊洲の核爆発で多少は被害を受けている。豊洲の方を向いているガラスは軒並み破壊されていた。核とは言え小型だったから、折れてしまった高層ビルなどはないようだ。しかし風向きのせいで死の灰が降り注いだため、住民も、働いている人も全てに避難命令が出ていた。今まで様な、空を照らすほどのネオンは今点いていない。避難はうまくいっていない。動かない車が道路に溢れている。

「新宿にしては暗いね。あの光は車の列なんだ。やっぱり。」眼科に広がる逃げ出そうとする車のライトを見ながらヨシヒロは言った。

暗い夜空に、同じく暗い色をした物体が飛んでいた。偵察機がカイト達を上空から監視しているのを、彼らは気づいていない。

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「怪物を倒した巨人が飛んでいます」赤外線カメラが、カイトと手のひらの上のヨシヒロを写している。

「何をしているんだ。」

「目的はわかりませんが・・・手のひらの上に人間を載せているようです」パイロットは淡々と報告している。

「このまま気づかれないように監視を続けろ」

「了解しました」

偵察機は上空をゆっくりと旋回しながら監視を続けている。二人はまだ気づかない。監視している者は巨人(カイト)の出現を湯沢首相に報告した。「豊洲を見に行ってみない?確かそんなには遠くないらしいよ」とヨシヒロ。悪趣味だが爆心

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