河川敷にいるカイト。悪魔(ホントは天使だがカイトは悪魔と思っている)に導かれてここにいる。
「変身て、どうなるんすか?」とカイト。今では悪魔に慣れてしまっている。
「・・・受け入れればいい。それを感じるだろう?・・・」ミカエル言った。
すると怪物に殺された人々や、戦争で家族を失った人々の恨みつらみがカイトの心に流れ込んできた。
「ちょっと待てよ!なんだよこれ!」その憎悪と恨みに押しつぶされる寸前、カイトは体調40m程の巨人に変身していた。しかし全くヒーローらしくはない。ぴったりしたコスチュームではないのだ。強いて言えば白いタキシードに近い。
カイトは俯いて確認できる範囲を見た。
「・・・これってダサくねえ?」とカイト。
「・・・ダサい?何がだ?ダサい?どう言う意味だ?・・・」ミカエルは言う。
「だからカッコ悪いってことだよ」とカイト。
「・・・カッコ悪い?・・ん??悪ということか?・・・」ミカエルは言った。天使にはそういう人間的なことが良く分からない。
「悪とかじゃねえけど・・これはないだろう」カイトはうんざりしたように言った。
天使には人間のような美醜の判断がないようだ。今ひとつ理解できないまま、
「・・・まあ、あまり文句を言うな。あの怪物に対抗できる力は与えてあるのだからな・・
・・・今すぐに飛んでゆけ。怪物の場所は我々が教える・・・」とミカエル。
するとカイトにはどちらの方向へ飛べばいいかが何故かわかった。
「飛ぶってどうやんの?」とカイト。
「・・・どうやる?・・・・飛べばいい・・」ミカエルは何言ってんの?お前みたいな感じで言った。
「いやだからさ・・飛んだことねえんだよ。俺」カイトは少しイラついた。こいつら常識ねえ、と思っていた。それも無理はないのだ。なにせ物質の体を持っていないのだから、意識は根本から違う。
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