超人カイト3

小説

「そうですね。人間の言葉でニート・・に近いかと・・・」ガブリエルが答えます。

「近いではなくニートだ。あれは・・・」ああ、いい人材はなかなか見つからない・・ミカエルは人なら溜息に相当する意識を発しました。

「気に入りませんか?」ガブリエルは分かっているのに質問しました。

「当たり前だろう。ニートって・・・お前分かっているのに聞いてるだろう?」とミカエル。

「まあ・・・仕方がないのでは?万能の人間はいない。何かの素質があるのでしょう。その分に脳の機能が使われれば、他がおろそかになるのが人の限界。」冷たくガブリエルは言い放ちます。

大学での不適応など、カイトがニートになってゆく過程が天使たちに認識されてゆきます。

「仕方がない。接触しよう。・・・・いや・・他にはいないのか?」とミカエル。

「こんなに探していないんですよ?」ガブリエルも散々偵察していたので少々ムッとしているように言います。

「すまない・・私ももう少し探そう。それでダメなら彼に決定だ。君も、もう少し偵察を続けてくれないかな?」とミカエル。

「・・・了解しました。偵察を続けます。」全く、人使いの荒い上司です。不満げにガブリエルは答えました。

天使達は、怪物に対抗する何かを作ろうとしているのです。直接怪物を破壊することはできません。試しもしました。しかし天使達の攻撃はまるで通じません。と言うより、すり抜けてしまうのです。

「やはり・・干渉できません・・・」もう一度天使たちは、怪物を破壊しようと力をかけましたが、やはり全てすり抜けてしまいます。

「怪物に対抗するものを三次元の世界に作るしかないか・・・それなら出来そうだ・・・しかし・・・これは・・・」ミカエルとガブリエル達はカイト発見の後も、カイト以外に変身させられるものを探しましたが、見つかりませんでした。

 

「創造主はカイトを選んだということですよね?まさか、試練を通して彼を成長させるため・・だなんてことはないですよね?」とガブリエル。

「いや・・そんなとこじゃないのかな・・」ミカエルが答えます。


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